玖
相手の後ろへと手を回した二人であったが、銀時は尾てい骨の辺りで手を止めた。
「と、とりあえず触るだけな?…いきなり突っ込むなよ?」
「ああ。」
土方の確約を取り付け、銀時は安心して手を下ろしていく。
それと同時に土方も銀時の割れ目を濡れた指で辿っていった。
「…っ!」(銀)
「んっ…」(土)
二人の指先が相手の窄まりに触れた。
土方はゆっくりと指の腹で小さな円を描いていく。
「…どんな感じだ?」
「んっ…悪くは、ねェよ…。土方のも、してやる…」
銀時も土方に倣い、土方の入口をくるくるとなぞった。
「んっ…ハァッ…」
「な?意外と…」
「ああ。悪くねェな…」
「んんっ…」
何となく気恥しくて俯き加減の二人の視界に、猛ったままのモノが見える。
そこの状態を見れば、言葉で確認するより容易く相手が不快に感じていないことは判った。
二人はそれから暫くの間、入口周辺に優しく触れ続けていた。
「ハァ、ハァ…なんか…ケツがムズムズする…」(銀)
「…そろそろ、入れてみるか?」(土)
「えっ、マジで?もう?」
「…まだ怖ェか?」
「こ、怖くなんかねェよ!…ていうか、お前は何でそんなに落ち着いてんだ?実は経験者か!?」
「違ェよ…。ただ、最終的にテメーのモンが入るんだったら、指一本くれェどうってことねーと思ってな…
」
「そ、そりゃそーだよな…。ハハッ…うん。よしっ、入れるか!」
「…無理しなくていいんだぞ。テメーが嫌なら俺だけでも…」
「それはダメ。」
未だ、挿入されることへの決心をつけかねている銀時であったが、だからといって「二人同時に」という
約束を反故にする気もなかった。
「一緒にやるって決めたんだから一緒にやろうぜ。」
「そうか?じゃあ、もう少ししてから…」
「いや…ひと思いにヤっちまった方がいい気がする。」
「…本当にいいのか?」
「いいから。…せーの、でいくぞ!」
「ああ…」
二人は改めて互いの入口に指の腹を宛てた。
「ちょっと待って!…入れるのって何指?」
「…中指じゃねーのか?」
「そうなの!?」
「いや、何でもいいが…俺は今まで中指で触ってたから…」
「俺、人差し指だったんだけど…」
「じゃあテメーはそれでいいじゃねーか…」
「…待てよ!中指の方が長ェじゃん!ってことは奥まで入るってことじゃねーか!…ダメ。
オメーも人差し指にしろ。」
「はいはい…」
「別に、奥まで入れんのが怖ェとかじゃねーぞ?公平を期すためだからな?」
「分かった分かった…」
土方は人差し指にローションを絡め直し、銀時の入口に触れた。
「…いつでもいいぞ。」
「じ、じゃあ、いくぞ?」
「ああ。」
「…ゆっくりだぞ?」
「分かってる。」
「………せーのっ!」
銀時の合図で二人は指先に力を込める。若干の抵抗はあったものの、それほど太くない指は簡単に
内部へ取り込まれていった。
「…以外にすんなり入るもんだな。」(銀)
「そうだな…」(土)
土方は銀時のナカの指を更に奥へと進めていく。
(えっ!ちょっ…なんか、奥に来てない?入ってる!入ってるってコレェェェ!!えっ…これってもう
指、全部入れる感じ?先っちょだけじゃねーの!?うわ〜…なんか変な感じ…。ていうか、まだ奥に
行くのかよ…。土方の指長くね?えっ、ウソ…まだ?おかしくね?もう三十センチくらい入ってるような…
)
「おい…」
「…えっ、なに!?」
「お前の指、それ以上いかねェか?」
「い、いやっ…。入れていいの?」
「そういう話だっただろ?」
「そ、そうだね。じゃあ…入れるな?」
「おう。」
銀時も指を土方の内部へ進めていった。
(あー…指だけでも結構奥まで行くもんだな…。そういえば総悟がナカにも感じるところがあるとか
言ってたが、本当なのか?)
土方は銀時に埋めた指を曲げ伸ばしする。
「ちょっ…何してんの!?」
「いや…ナカにイイ所があるらしいんだが…」
「マジで!?そんなトコがあんの!?」
「…総悟情報だから、デマかもしれねェが一応…」
情報源が沖田ならデマの可能性の方が高いのではないか…そんなことを思いながら銀時は、内部で指が
蠢く違和感に耐えていた。
「う゛〜…」
「…痛ェか?」
「いや…。でも、別に気持ちよくもねェよ。お前、沖田くんに騙されたんだよ…」
「そうかもな…」
「うあっ!」
「えっ…」
土方が浅い所で手首を回し内部をくるりと刺激した時、銀時の身体が跳ね、声が上がった。
「今、何した!?なんかビリッときたぞ?」
「この辺を、ただくるっと…」
「………」
先程よりも慎重に土方は指を回してみる。今度は特に何も起こらなかった。
「お前、テキトーなこと言うなよ?絶対ェ何かしただろ、さっき。」
「フツーに触っただけだ。…なんだ?イイトコだったのか?」
「ちっげェよ…。なんかビリッときて、ビクッてなって…今は、ナカ全体がジンジンする…」
「それがイイ所なんじゃねーのか?」
「は?そういうレベルじゃねーよ、アレは。きっと、人体を内部から破壊する秘孔的なヤツだよ。」
「漫画の読み過ぎだ…」
呆れたような息を吐き、土方は先程の場所を探り指を動かし続ける。
「なァ…絶対ェ秘孔だからやめとけって。銀さんがバラバラになってもいいのか?」
「ンなわけねーだろ…」
「もういい加減あきっ…!!」
「ここか?」
「ちょっ、待っ…ああっ!」
「ここか…」
土方は漸く見付けた一点を捏ねていく。土方の指が動くたび、銀時から嬌声が上がる。
「やっ…ああっ!まっ、まって!スットプ!ストップ!!」
「ンだよ…イイんだろ?素直に感じてろ。」
「だから気持ち良いとかゆーレベルじゃないんだって!お前もやってみりゃ分かるから…この辺か?」
銀時は埋めただけになっていた指を動かし始めた。
「多分、その辺…」
「テキトーなこと言うなよ?お前、全然反応してねーじゃん。…何か目印とかねェの?」
「目印っつーか、周りと少し感触の違う所があるから…」
「ん〜…?」
指の腹を内壁にピタリと付け、銀時は指を前後左右に滑らせながら土方の快楽点を探した。
「っ!」
「おっ…今、当たった?」
「い、いや…あっ!」
「ここだな?おら、どーなんだよ…」
「ああぁぁ〜…!!」
銀時はナカの指を高速で動かした。
「待っ…ああっ!」
「気持ちイイんだろ?だったら素直に感じてな〜。」
「くっ!」
少し前に言われた台詞を引用し、銀時は土方を責め立てる。
「あっ…くっ!て、め…ちょーしに、乗んなっ…」
「ひあっ!」
土方も負けじと銀時内部の指を動かし、快楽点を責めた。
「あっ…ああっ!ハッ、あっ!」(銀)
「くっ…あっ……つっ、あぁっ!」(土)
初めて体験する快感に、二人の身体はビクビクと震える。
「やべっ…もう、イキた、い…。土方っ…」
「ああ、俺もだ…」
二人は空いている手で相手の一物をきゅっと握った。
「「…ああぁっ!!」」
ナカの刺激で弾ける寸前まで昂ぶっていた一物は、握っただけで呆気なく精を吐き出した。
「ハァ、ハァッ…す、げェな…」(銀)
「ああ…。まさか…ハァ…これほどとは…」(土)
「これならさ…セックスしても、一緒に気持ち良くなれるよな?」
「だな…」
「へへっ…ちょっと、楽しみかも…」
「だな…」
その日二人は、何れ訪れる一つになれる日に思いを馳せながら眠りに就いた。
(11.04.08)
男同士のヤり方を知らなくて、手探り状態でヤってみる二人が書きたいだけで始めた連載でしたが、次回いよいよです!…というか、次回いよいよでないと
残り2話でリバれません^^; どっち方向の挿入もちゃんと書くとなると、各々1話ずつ必要ですから。続きはなるべく早くアップしたいと思いますのでお待ち下さい。
ここまでお読みくださりありがとうございました。
追記:続き書きました。リバ前提の土銀(18禁)です。→★