男同士って・・・?捌
土方との交際も順調に進んでいたある日、銀時が万事屋で寛いでいると、「ずっと聞こうと思ってた」と
前置きして神楽が尋ねてきた。
「銀ちゃんは攻めアルか?受けアルか?」
「は?何ソレ?」
「分からないアルか?じゃあ、突っ込む方と突っ込まれる方って言えば分かるアルか?」
「ん〜?今更なに言ってんだ?万事屋のツッコミは新八だろ?まあ、俺は何でも器用にこなせるから
ボケたりツッコんだりしてるけどな。」
「…それもボケアルか?そうじゃなくて、銀ちゃんとマヨラーの話をしてるアル。」
「土方?まあ、どちらかといえばアイツの方がツッコミ役だろ。ただアイツ、マヨネーズ持たせると
ボケキャラになっちまうけどな。」
「だから、そういうことを言ってるんじゃないネ。どっちが突っ込んでるのかって聞いてるアル。」
「一体何の話をしてるんだよ、何の…」
「セックスに決まってるネ!」
「おいおい…オメーにゃ十年早ェぞ。」
「私だってオッサン同士の絡みなんか興味ないアル。でもアネゴの友達が、聞いてきたら酢こんぶ買って
くれるって言うから聞いてるだけネ。」
「ったく…ガキに可笑しなこと教えてんじゃねーよ…。いいか神楽…俺も土方も男なんだ。」
「そんなこと分かってるネ。…で、どっちが突っ込む方アルか?」
「だからな?男同士じゃ突っ込むモノはあっても、突っ込まれるトコはねーの。」
「かぶき町の女王を甘く見ないでほしいアル!男同士は×××を使うことくらい知ってるネ。」
「………は?何ソレ!?」
「銀ちゃん…マジアルか?」
その頃、真選組の屯所では土方が沖田に同じようなことを聞かれていた。
「…で?土方さん、どっちなんですかィ?」
「総悟、お前がそこまでバカだったとは…。いいか?俺も万事屋も男なんだぞ。男同士で、突っ込むとか
突っ込まれるとか…そういうのは無理に決まってるだろ?」
「俺も、アンタがそこまで無知だったとは驚きでさァ。ア○ルセックスって聞いたことありませんか?」
「アナっ!?」
「そう。男同士はそこを使って繋がるんでさァ。…旦那は教えてくれなかったんで?」
「な、何も…」
「じゃあ旦那は、土方さんが抱いてくれるのを待ってるのかもしれませんぜ?」
「そう、なのか…?」
「そうでなきゃ、とっくに掘られてるはずでさァ。…次に会う時は抱いてやりなせェ。」
「だ、抱くっつっても…」
「仕方ないですねィ…。じゃあ、今夜の見回り交代してくれたら教えましょう。」
「チッ…分かったよ。」
「交渉成立。…まず必要なのはローションです。それから…」
こうして土方は、沖田から男性同士のセックスの手解きを受けた。
* * * * *
数日後。屋台で軽く一杯ひっかけてから宿に入った二人の間には、いつもと違う緊張感が漂っていた。
「あ、あのよー土方…お前、男同士でセックスできるって、知ってる?」
「―っ!(とうとう痺れを切らしたのか?)実は…つい最近、そのことを知ってだな…」
「えっ!」
「す、すまん…。あまりこっち方面には詳しくないもので、その…」
「なぁんだ…良かった。」
「は?」
「実はさ…俺も最近知ったんだ。そんで、土方が抱かれんのを待ってたなら申し訳ないなァって…」
「…俺も、同じことを考えていた。」
「ハハッ…」
「ハハハッ…」
変なところで気が合うものだと二人は笑い、周りの空気は和やかになった。
「それで…今日はどうする?」
「どうって…?」
「俺は別に、いつも通りでもいいんだけど…」
「あっ…」
土方にも漸く銀時の言わんとしていることが分かった。
今までの関係に不満はないのだけれど、より深い関係になれると知ったからにはその関係を築きたいと
土方は思っていた。
「お、俺は…お前が嫌でないのなら、その…」
「…セックスしたい?」
「あ、ああ…」
「俺も。できるならヤりたい…。ローション持ってきたし。」
銀時は照れ臭そうに笑って、懐からピンク色の液体が入った小瓶を取り出した。
「俺も…」
土方も懐から透明の液体が入った小瓶を取り出す。
「プッ…俺らって本当、似た者同士だよな…」
「そうだな…」
「じゃあ、ヤろうぜ。」
「…どっちが、どっちに?」
「あっ、そうか…それがあったな。うーん…希望とか、ある?」
「いや…。万事屋、お前はどうなんだ?」
「俺も別に…。ていうか、両方できるんだから順番でよくねェ?」
「それもそうだな。…で、今日はどっちだ?」
「うーん…とりあえず、同時にやるか?」
「同時?」
銀時の提案に土方は小首を傾げた。
「俺もよく知らねェんだけどさァ…いきなり突っ込むのは無理なんだろ?」
「ああ…。だからローション使って指一本から徐々に慣らしていく…らしい。」
「だったら、今日一日で最後までいくのは厳しいかもしれないから…」
「そうか…。指だけなら同時にできるな。」
「俺達、初心者同士みたいだから、ゆっくり進むのも悪くないんじゃねェかと…」
「それもそうだな。じゃあ今日は…」
「指一本だけ、な。」
「おう。」
* * * * *
二人はいつものように一糸纏わぬ姿になり、ベッドの上で抱き合った。
横向きに寝て、腰に添えた手を下へと下ろしていく。
ふと、土方の手が止まり、上へ戻っていった。
「どした?」
「いや…先ずはこっちからと思って。」
「んっ…」
土方の手が後頭部に添えられると、銀時は目を瞑り促されるままに土方と唇を合わせた。
口内で舌を絡めると二人の背筋を快感がゾクゾク這い、一物が勃ち上がる。
そのまま昂ぶり同士をグリグリと擦り付け、更に快感を高めていく。
互いのモノから先走りが滲み出たところで土方が口付けを解いた。
「ハッ…ちょ、ちょっと待て…」
「なに?折角イイ感じになってきたのに…」
「そうじゃなくて今日は…」
「あ、そうだったな…」
銀時も当初の目的を思い出し、各々持ってきたローションを指に絡め相手の背中の下へと手を伸ばした。
(11.04.08)
というわけで、タイトルの意味は「男同士でヤれんの?」とか「どうやんの?」とかそんな感じです。
中途半端ですが、長くなったので一旦切ります。続きはこちら→★