拾
銀時と土方が男同士の交わりについての知識を得てから、幾度目かのデートの日。
いつものように宿へやって来た二人はベッドの上で裸になり、頭を逆にして横向きに寝転んだ。
上になった脚を相手の身体に乗せ、相手の脚の間にローション塗れの手を伸ばす。
「あぁ…」(銀)
「ハァ…」(土)
内部に指が挿入されると、二人は甘い息を吐く。指を動かす度に聞こえるチュクチュクという水音に煽られ、
二人は二本三本とナカの指を増やしていった。
「あぁっ!あ…んんっ!はぁっ!」(銀)
「くっ…ハッ!…っ…あぁっ!」(土)
一物はダラダラと涎を溢し、直接刺激されれば即座に達してしまいそうな状態である。
けれど二人共そこには敢えて触れず、ナカの指を動かし続けた。身体の奥から湧き上がるような、
それでいてイクにイケないもどかしい快感に、すっかり嵌ってしまっていたのだった。
「ああっ!あっ!あ…(やべェ…)」(銀)
「はぁっ!くっ…(トぶ…)」(土)
朦朧とする意識の中、相手に埋めた三本の指を激しく動かし続ける。
そして遂に、その時が訪れた。
「「ハッ…ああぁ〜〜っ!!」」
二人のモノは一度も触れずに白濁液を吐き出した。
二人は相手のナカから指を抜き、四肢を投げ出し、忙しなく呼吸を繰り返す。
呼吸が整ってくると徐々に霞んでいた意識がクリアになっていった。
「な、なァ、土方…」
「んー…?」
「お前、今…チ○コ、触った?」
「………」
銀時の言葉で土方も、自分達に起こったことに気付いた。
「…お前は?」
「触ってねェよ。…土方も、だよな?」
「ああ…」
「…触んなくても、出るんだな…」
「そう、みたいだな…」
「目の前がこう、チカチカしてさぁ…頭パーンってなるかと思った。」
「そうだな…」
土方はゆっくり身体を起こし、銀時の方へ視線を向ける。
「なぁ…そろそろヤれんじゃねェか?」
「できそーだね。…ヤる?」
「ああ。…お前、どっちがいい?」
「んー…土方は?」
「どっちでも…」
「じゃあ、じゃんけん…」
「おう。」
じゃんけんの結果は銀時の勝ち。
勝った銀時は受ける方を選び、いよいよ二人の交わる準備が全て完了した。
銀時は仰向けになり、膝を立てて脚を広げる。
「…これでできそう?」
「腰を持ち上げれば何とか…」
「それだとお前、キツくねぇ?」
「…じゃあ、腰の下にこれ置いとけ。足りねェ分は俺が持つから…」
「んっ…」
土方は二つある枕の一方を手に取り、銀時は腰を少し浮かせてそれを下に敷いた。
それから土方は、部屋に備え付けられているコンドームを持って銀時の脚の間に移動した。
「ゴム、必要あんの?孕むわけでもあるまいし…」
「そもそも入れる場所じゃねェんだし、一応…」
「そういうもんかね?」
土方は一物を軽く扱いて勃たせてからコンドームを被せ、銀時の脚を抱え上げた。
「いくぞ…」
「うん…」
先端を入口に押し当て、ぐっと腰を進める。
「っ!」
三本の指を難なく咥え込むことができるようになった。正直言って、ナカの方が一物よりも気持ちいい。
だからこそ自ら受ける側を望んだ銀時であったが、これから土方の一物を受け入れるのだと思うと
緊張して身体に力が入ってしまい、入口に引き攣るような痛みを感じた。
土方は一旦銀時から離れ、自分のモノと銀時の入口にもう一度ローションを塗り込めた。
「ハッ…んっ、ぁ…」
ここ何回かの逢瀬ですっかり慣れた指の刺激に、銀時の身体は徐々に弛緩していく。
土方はその隙を付き、再度挿入を試みた。
「ぅあっ!」
「痛ェか?」
「いや…ちょっとビックリしたけど、痛くはねェ…」
「そうか。良かった…」
「…今、入ってるんだよな?」
「ああ。」
現在、土方の一物の頭部分が銀時の内部に埋まっていた。
「…なあ、全部入れてみろよ。」
「だ、大丈夫なのか?」
「平気平気。マジで痛くねェからさ…」
「…痛くなったら言えよ?」
「んっ。」
土方は銀時の表情を伺いながら慎重に腰を進めていった。
「ハァ、ハァッ…あと、どのくらい?」
「…半分くらいだな。」
「マジでか…」
「…痛ェのか?」
「いや…。ただ、結構奥まで来るんだなと思って…」
指より長いソレは、今まで到達したことのない奥深くまで銀時を貫いていく。
長い時間を掛け、土方のモノが全て納まる頃には二人とも汗だくになっていた。
「万事屋…大丈夫か?」
「何とかね…ハァッ……なんか、息がしにくい…。この辺まで、入ってる気がする…」
銀時は自分の胸元をポンポンと叩いた。
「…一旦抜くか?」
「いや…ちょっと来い。」
銀時は腕を伸ばして土方の身体を引き寄せる。
すると身体が二つ折りになるような体勢になり、銀時の負担が増すのではないかと土方は心配になる。
「お、おい…」
「いいから来いよ…」
「だが…」
「いいから。」
銀時は構わず土方を引き寄せ、二人の上半身がピタリと重なった。
「ハァ〜…」
「おい…苦しいんじゃなかったのか?俺が乗っかったら余計に「いーの!」
自分を気遣う土方の言葉を遮り、銀時はぎゅうぎゅうと土方を抱き締めた。
「なんかさ…すげぇんだよ。そりゃあ、キツいし、苦しいし、この体勢になったら余計に辛いけど…
でも、それがいいんだよ。」
「何が?」
「お前と、繋がってるって実感できる。」
「万事屋…」
「繋がってんのはほんの一部分なんだけどよー…こうやってくっ付くと、身体全部にお前が入って来てる
気がして、なんかいい感じなんだ…」
「そうか…」
土方はそっと銀時の前髪をかき上げ、額に口付けを落とした。
「…そろそろ動いていいぞ。」
「本当に大丈夫なのか?」
「大丈夫だって。…このままだとお前も辛ェだろ?」
「別に…」
勃起した状態で動けない辛さなど、初めて男を受け入れた銀時の辛さに比べれば大したことはないと
土方は思っていた。
「俺もさっ、流石に何時までもこの状態はちょっと…」
「あ、悪ィ…」
土方は銀時の顔の横に手を付いて少しだけ上体を浮かせた。
「じゃあ…動くな?」
「どーぞ。」
ずずっと土方のモノが三分の一ほど抜けて、再び奥へ戻される。
「あっ!」
「痛かったか?」
「ちが…なんか、そこ…やばい、かも…」
「…ここか?」
土方は挿入したまま腰を回して、先端で銀時の最奥を軽くかき回してみた。
「あっ、あっ、あっ…」
土方の腰の動きに合わせて銀時が喘ぐ。
それと同時にナカはヒクヒクと痙攣し始めた。
「あっ、あっ…土方、ちょっ…ヤバイっ!」
「お前ン中、すげぇことになってんぞ。」
「あぁっ!」
銀時の感じている姿とナカの心地よさに興奮し、土方は徐々に腰を大きくグラインドしていった。
ずんずんと奥を突かれ、銀時からは引っ切り無しに声が漏れる。
「あっ、あっ…ひあっ!」
「やっと当たった…」
「待っ…そこ、やめっ…あぁっ!!」
土方の切っ先が、これまで散々指で弄ってきた快楽点を掠めた。
銀時は背を仰け反らせて悲鳴に近い喘ぎ声を上げる。
「ひあぁっ!やっ…もっ、むりっ…」
「くっ…もう、もたねぇな…」
土方は銀時の一物を握り、それを扱きながら激しく腰を打ち付けた。
「やっ!もっ…イクぅぅぅ!!」
「ハッ…くぅっ!!」
内側と外側から強い刺激を与えられ、銀時は吐精と同時に意識を手放した。
しかしその表情はどことなく嬉しそうであった。
土方は銀時から自身を抜き、コンドームを外して簡単に後始末を済ませると銀時を抱き締めて目を瞑る。
そして、初めて一つになれた幸せを噛みしめながら眠りに就くのだった。
(11.04.12)
やっと初エッチまで辿り着きました!「壱」をアップしてから二ヶ月近く、お付き合いいただいた方々ありがとうございました!
…いや、まだ終わりじゃないですよ^^; リバですから!土方さんも挿入されて完結です!続きはなるべく早くアップしたいと思っているのですが、
今週の本誌が楽しかったので、固定CPで本誌ネタを書いてから最終話にとりかかります^^; まずは、ここまでお読みくださりありがとうございました。
追記:続き書きました。18禁ですが直接飛びます。→★