※この小説は2月19日にアップしました。



男同士って・・・? 壱


滅多に雪の降らない江戸でも積雪を記録する程寒いある冬の夜、銀時達万事屋一行は真選組の屯所を訪れた。

「ちーっス。」
「山崎さん、こんばんは。」
「相変わらず地味アルな、ジミー。」

玄関近くにいた山崎に三者三様の挨拶をして履物を脱いで上がる。
三人があまりに自然体であったため、山崎はそのまま通そうとしてハッと我に返る。

「ちょっ…旦那方、何してるんですか!?」
「あ?何って…オメーら今日、節分パーチーなんだろ?…もうバレンタインも終わったのに。」
「えっ?」
「惚けたって無駄アル。本当は新年会の予定だったのに、書くのが遅れて節分パーチーになったんだろ?
…バレンタインも過ぎたのに。」
「ちょっと二人とも!今は二月になったばかりって設定だって、管理人さんから言われたじゃないですか!」
「でもよー…冒頭には『ある冬の夜』としか書いてねェじゃねーか…」
「そうアル。これだけだと、普通の人はアップした日と同じだと思うアル。」
「だから銀さんの『節分』ってセリフで、今日が二月の初めなんだって読んでる方にも分かるって…
そういう段取りだったじゃないですか。裏事情をバラしちゃだめですよ!」
「…そういう新八も裏事情バラしまくりアル。」
「あっ…」
「…はい、集合〜。」

銀時の号令で万事屋三人は輪になり、ヒソヒソと話し始める。

「どーすんだオイ、ぐだぐだになっちまったぞ?」
「最初にバレンタインとか言ったの、銀さんじゃないですか。…何とかしてくださいよ。」
「俺のボケに神楽が被せたからおかしくなったんだろ?…神楽、何とかしろ。」
「新八がツッコミのくせにネタバラしするからいけないアル。…新八が何とかしろヨ。」
「あー、そうだな。あそこで『今日は二月初めですよ』ってサラッと言えばよかったよな…」
「えっ…僕のせいなんですか?そもそも二人がボケるからいけないんでしょ?」
「このサイトは基本ギャグパートアル。ボケるのは当然ネ。」
「そうそう。シリアスでカッコイイ話なんかねェんだから、せめて笑いがほしいじゃねーか。」
「なのに肝心のツッコミがこれじゃあ、私達のボケが活かしきれないアル。」
「だから、僕だけに責任を押し付けるのはやめてよ!」
「新八のくせに、私に文句を言うとはなにごとネ!」
「新八のくせにって何だよ!僕だって一所懸命やってるんだよ!?」
「おいおい、ケンカすんじゃねーよ。…仕方ねェ。こうなったら最後の手段だ!」

銀時はバッと顔を上げ、いつになく真剣な表情になる。新八と神楽は銀時の発言を待つ。
一人取り残されていた山崎は、ただ呆然と成り行きを見守っていた。
銀時がスゥと息を吸い込み、ハッキリとした口調で言った。

「今のナシ!!」
「「「………は?」」」
「聞いてなかったのか?今のナシだよ。やり直し。」
「や、やり直しって…どうするんですか?」
「やり直しはやり直しだよ。…もっかい初めに戻んの。…ほら、お前らも靴履けよ。」
「了解ネ。」
「えっ…本当にやり直すんですか?ていうか、そんなことできるんですか?」
「大丈夫、大丈夫。銀さんに任せなさ〜い。…じゃあジミー、そういうことでよろしく〜。」
「は、はぁ。」
「というわけで画面の前の皆さんも、今までのことは忘れてくださいね〜。…新八、置いてくぞ。」
「待ってくださいよー!」

ブーツを履いてさっさと外へ出て行く銀時と神楽の後を、新八は戸惑いながらも付いていった。



男同士って・・・?今度こそ本当の


滅多に雪の降らない江戸でも積雪を記録する程寒いある冬の夜、銀時達万事屋一行は真選組の屯所を訪れた。

「ちーっス。」
「………」
「おいっ…」

未だ状況が理解できず黙ったままの新八を銀時が肘で小突く。

「えっ、何ですか?」
「何ですか、じゃねーよ。次しゃべんの、お前だろ?」
「あ、はい………や、山崎さん、こんばんは?」
「相変わらず地味アルな、ジミー。」

玄関近くにいた山崎に三者三様の挨拶をして履物を脱いで上がる。
三人があまりに自然体であったため、山崎はそのまま通そうとしてハッと我に返る。

「ちょっ…旦那方、何してるんですか!?」
「あ?何って…オメーら今日、節分パーチーなんだろ?」
「えっ?」
「惚けたって無駄アル。」
「あの…僕達、近藤さんに招待されたんですけど…聞いてませんか?」
「ああ、そういうこと。…では、どうぞ。」

山崎は三人を屯所の中へ招き入れた。


「今度はスムーズにいったアルな。」
「おい…さっきのはナシにしたんだから余計なこと言うなよ。」
「分かったアル。」
「ここです、どうぞ。…局長ー、万事屋の三人が来ましたよー。」
「おー、よく来たな…」

広間の襖を山崎が開け、三人が部屋の中に入ると、既にほろ酔い加減の近藤が片手を挙げて出迎える。
部屋には数十人の隊士達がいた。食べ物と飲み物、それに空の皿やコップが置かれた座卓が幾つかあり、
隊士達は各自、好きな料理を取り分け、気の合う仲間同士で囲んで飲み食いしているようだった。

「本当に食べ放題アルな?私、昼から何も食べてないヨ!」
「えっ、神楽ちゃん…いつも通りにお昼ご飯食べてたじゃない。」
「だから、それ以降は食べてないアル。」
「ハハハ…」
「どうぞどうぞ。好きなだけ飲み食いしてくれたまえ。」
「よしっ、行け神楽!暫く何も食わなくていいくらい食い溜めしとけ!」
「アイアイサー!」

神楽は隊士達を押し退けて食事の置いてある座卓の前に陣取り、食事を始める。
銀時も少し離れたところに座った。
二人とも、取り皿などは無視して大皿から直接料理を口に運んだ。

「ちょっと二人とも!もう少し行儀よく…」
「いい、いい。気にするな、新八くん。」
「近藤さん、すいません。なんか…」
「キミ達には何かと世話になってるからな。…新八くんも遠慮せずにやってくれ。」
「ありがとうございます。」
「じゃあ、向こうでゆっくりお妙さんの話をしながら…」
「銀さん達と一緒に食べてきます。」

近藤に感謝しながらも姉の件に関してはサラリとかわし、新八も銀時達の近くに座った。

(11.02.19)


冒頭ふざけてて、すみません。神楽ちゃんの言うように、ネタ自体は一ヶ月以上前から考えていた、リバになる予定の二人の馴れ初め話です。

でも土方さん出せなかった^^; 次からは出てきます!そして、前中後編より長くなりそうなので「壱」です。タイトルの意味は二人がくっ付いた後に判明すると思います。

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