後編


「んっ…あっ!はぁ…」


キスをして、胸や足を撫でたり舐めたりしても土方は「嫌だ」とは言わなかった。
深い口付けをした時や胸の飾りを刺激した時には、未知の感覚に多少身構える素振りを見せたが
それでも決して「嫌だ」とは言わなかった。
そして今、銀時に一物を咥えられている。


「あぁっ!…はっ…あぁっ!ぎ、とき…なんか、へんっ!」
「…もうやめる?」
「やめ、ない…。いやじゃ、ない…」
「無理しなくていいからね」
「んんっ…はぁんっ!」


銀時が口淫を再開させると、土方は背を仰け反らせて喘ぐ。

(何も知らないのによく嫌にならないな…。多分、土方がこの歳くらいの時には、こういう快楽を知ってたんだろうな。
だから、頭で覚えてなくても身体が何となく覚えてて耐えられるんだ)

「あっ…はぁ!あぁ、あぁっ!」


土方の先から漏れた雫を銀時は啜りながら竿全体を舐めていく。

(つーか俺はどっちをやればいいんだ?エッチしたら戻るってことは、俺が入れる方か?でも、土方が入れたって
エッチはエッチだろ?まあ、ちょっと尻の方触ってみて、土方が嫌がりそうだったら俺が乗っかるか…)


銀時は土方の一物を咥えたまま、指の腹で後孔の入口付近にそっと触れる。
そして、一物を伝わってきた先走りと銀時の唾液を塗り込めるように、くるくると入口をなぞった。


「はぁ…あっ!あぁ…」
(大丈夫そうだな…)
「ふっ…うぅん…」


銀時は慎重に指を一本挿入した。何度か出し入れを繰り返し、馴染んできたところで指を二本に増やした。
二本の指が馴染むと、ナカで指を曲げて前立腺を刺激する。この土方にとって後ろの刺激は初めての体験だが
銀時が土方の身体に慣れているためか、土方は感じ入った声しか漏らさなかった。



「じゃあ、入れるよ…」
「入れる?」
「ああ、そうか。俺のコレを、土方のココに入れるの」

ナカの準備ができたところで、銀時は自分のモノを取り出してこれからの行為の説明をする。

「土方が嫌なら入れないよ」
「…嫌じゃない」
「それじゃあいくよ。力抜いててね」
「分かった」

銀時は土方の入口に自身の先端を宛がい、ゆっくりとナカを進んでいった。



ガンガンガンガンガン

「えっ…何?」

二人が漸く繋がれた頃、万事屋の玄関扉を何者かが激しく叩いた。土方はその音に怯えて銀時に抱き付く。

「大丈夫。鍵閉めてあるから…えっ!」

玄関でカチャカチャと鍵を回す音が聞こえたと思ったら、ガラリと扉が開く音がした。
この家の鍵を持っているのは銀時以外にたった二人。新八達は基本、銀時と共に行動するので持っていない。
持っているのは階下に住む大家と、あとは…

(嘘だろ…。だって、ここにいるコイツは…)

銀時が何もできないでいるうちに、鍵を開けた人物は勢いよく和室の襖を開けた。

「う、そ…」
『銀時テメー…マジで浮気してやがったか!』

今まさに繋がっている銀時と土方を見下ろしているのは、銀時が合い鍵を渡した人物―土方十四郎であった。
銀時に組み敷かれている「土方」と異なり、銀時のよく知る短髪で真選組の制服を着た土方である。

「なん、で…」
『総悟がな…オメーが俺と会えない間に男連れ込んでるとか言いやがってよー…どうせ嘘だとは思ったが
ちょうど仕事が一段落したんで会いに来てみたら、まさか本当だったとはな…』
「ちょ、ちょっと待って!えっ、お前、本当に土方?じゃあコイツは?」
『何だ?コイツを俺と間違えたってのか?オメーにしちゃ、笑えねェ言い訳だな』
「言い訳じゃなくて…」
『テメーもいつまで銀時にしがみついてやがんだ!…なっ!!』

銀時に抱き付いたままであった男を無理矢理引き剥がし、その顔を見た土方は固まった。

『お前、一体何者だ!』
「…土方十四郎」
『土方は俺だ!』
「お、俺は土方十四郎だ」
『銀時、どういうことだ!?』
「俺だって分かんねぇよ!ただ、コイツは沖田くんが連れて来て、天人の花火でオメーが若返ったって…
そんで、元に戻るにはエッチしなきゃダメだって…」
『総悟の野郎…後でシめる!』

そう言うと土方は玄関に向かい、鍵を閉めて和室に戻ってきた。

「あっあのさァ、土方くん…後でじゃなくて今、沖田くんに事情を聞きに行ってくれると嬉しいなァ、なんて…」
『聞きに行きたきゃテメーで行け』
「行きたいのはやまやまなんですがね…こっちの、長髪の土方くんが怖がってぎゅうぎゅう締めつけてるもんで
抜くに抜けなくてですね…」
『そうか…それならテメーが濡れりゃあ、いいんじゃねェか…』
「へっ?ちょっ…ナニ考えてんだよ!」

土方は枕元に置かれていた潤滑剤のボトルを手に取り、指に塗して二本まとめて銀時の後孔に挿入した。


「う、あっ…おい、やめ、ろっ…」
『ソイツのナカはキツいんだろ?テメーのナニがぬるぬるになれば、動きやすいだろーが』
「そうだけど…待っ、あっ!」


土方の指が銀時の快楽点に当たった。


『こっちは勝手にやるからよ…テメーはそっちの俺を気持ちよくしてやってくれや』
「おまっ本気で言ってんのか!?さっきまで浮気だ何だって怒ってたじゃねーか!」
『相手が俺なら話は別だ。だいたい、もう入ってんだから今更抜いたってヤった事実は変わらねェよ』
「いや、そうだけども…あっ!」
『いいからそっちの俺を気持ちよくしてやれって。テメーの方は俺がしてやるからよ』
「俺がって…まさかテメー、突っ込む気か!?」
「あうっ!」
「あ、ごめん」

銀時が思わず体を起こしたことで、長髪の「土方」のナカを抉ってしまう。「土方」が呻いたため銀時は体勢を元に戻す。

『おいおい…優しくしてやれよ。ソイツはまだ慣れてねェんだからよ』
「ていうか指、抜いてくんない?」
『なんだ…もう入れていいのか?』
「違ェよ!やめろって言ってんの!」
『こういう機会でもなきゃ三人でなんてできねェんだからよ…楽しもうぜ』
「ちょっ…待っ、やぁっ!」


土方がナカの指を動かすと、銀時から嬌声が上がる。土方は気をよくして快楽点を捏ねていく。


「やっ…あっ!あぁっ!」
「ぎ、ぎんとき!キツイ…」
「悪ィっ。ほら、ポニ方くんが苦しがってんだから、指、止めろっ!」
『誰がポニ方だ!勝手に変な名前を付けんじゃねぇ!だいたい、ソイツが苦しがってんのはテメーがアナ弄られて
興奮して、前を膨らませてるからだろーが』
「だからお前が弄んのをやめればいいんじゃねーか!」
『仕方ねェ…まだちゃんと解れてねェが、多少キツくても我慢するか…』
「えっ…ちょっ!」


土方は制服の上着を脱ぎ捨て、ベルトを緩めてスラックスの前を寛げて一物を取り出した。

「ま、待てって…」
『却下』

銀時は土方の挿入を阻むため体を起こそうとしたが、土方に後頭部を掴まれ「土方」の上に押さえ付けられてしまう。
そして土方は、銀時のナカを一気に奥まで穿った。


「うあぁっ!」
『きっつ…。おい、もうちょい力抜けって…』
「アホかっ!いきなり奥まで入れるヤツがいるか!あっ…ちょっ…」
『テメーは慣れてるから平気だろ。ローション塗ったし…』
「あっ、あっ!…やめっ」


土方の腰の動きに合わせて銀時から喘ぎが漏れる。


『あぁ?やめていいのかよ…』
「って、こん、な…あっ!」
『気持ちいいんだから、いーじゃねぇか…』
「銀時…辛い?」
『大丈夫。銀時は気持ちいいんだ。その証拠にオメーの中でデカくなってんだろ?』
「うん、なってる」
『オメーがケツを締めてやれば、コイツはもっと気持よくなれるぜ』
「てめっ…余計なこと、あっ!」
「締めるって…こうか?」


下になっている「土方」は下半身に力を入れ、入口を狭めたり緩めたりしてみた。
後ろの刺激に加え、銀時は前からも強い刺激を与えられる。


「ひぁぅっ!!」
「銀時…気持ちいい?」
『すげぇヨさそうだな…』
「ああっ!…じかたっ…も、だめっ!」
『一人でイクなよ?ちゃんと、そっちの俺も気持ちよくしてやってくれや』
「あ、う…」
「あぁっ!」


感じたことのない快楽で朦朧としてきた銀時は、土方の言う通りに「土方」の一物を握って扱き始める。


「ぎんときっ…やあっ!…あっ、あっ!」
「はあんっ!あっ、あっ!!」
『くっ…』


土方が律動を速めると、それに合わせて銀時も「土方」のモノを扱くスピードを上げた。


「あっ、あっ……ああぁっ!!」
「や…ぁ……ああっ!!」
『くぅっ!!』


最初に銀時が達し、その直後に一物を扱かれていた「土方」が、それとほぼ同時に銀時のナカの土方が達した。



*  *  *  *  *



激しい情交の末、銀時と土方はそのまま眠りに就いた。
もしかしたら長髪の「土方」も共に眠りに就いたのかもしれないが、二人が目を覚ました時には姿がなく
一人で何処かへ行ったのか、眠りながら消えたのかは確かめようがなかった。

土方は沖田へ電話を掛け、数日前に自分へ浴びせた天人製の花火について問い詰めた。すると沖田は意外に簡単に
花火の仕掛けについて語った。

その花火は、浴びた者と若い頃のその者とを交代させるものらしい。交代といっても、若い頃の者はタイムマシンの
要領でその場に呼び出されるものの、本人は爆風と共に遠くへ飛ばされるだけだという。そして、本人が若い頃の自分と
出会って数時間後に、若い頃の者は元の時代に戻るのだと沖田は言った。

「つまり、エッチする必要はなかったわけね…」
「そのようだな」
「ていうか、記憶喪失だったのは何で?」
「この花火は元々、身近な人間を教育し直す目的で作られたんだと」
「なるほどね。記憶のない若い相手を自分好みに育てるってか?」
「ただ、本当に入れ替わるわけじゃねェから、飛ばされた本人が戻ってくるまでの間だけだけどな。
しかも今みてェに交通手段が発達しちまうと、多少飛ばされたところですぐ戻って来られる」

だから現在は単なる余興としてこの花火を使うらしいと土方は付け加えた。

「それで沖田くんはあのコをここに連れて来たってわけか…。オメーが戻って来ても会わせないために…」
「今回は完全に総悟にやられたな…」
「…でもよ、あのコは大丈夫かな?記憶喪失で元に戻って…」
「ああ…元の時代に戻ったら、記憶も戻ってここでのことは忘れるって言ってたぞ」
「随分と都合のいい設定だな…」
「だが、まあ、滅多に出来ない体験ができたのは総悟に感謝だな」
「…オメーはいつも通り銀さんに突っ込んでただけだろーが」
「オメーだっていつも通り、俺に突っ込んだり俺に突っ込まれたりしてただけだろ?」
「同時は初めてだっつーの!」
「ハハッ…。なあ、銀時…もう一回ヤらねェか?」
「…俺が上なら」
「いいぜ」


銀時は土方に覆い被さり、唇を重ねた。

二人の時間は始まったばかり。


(10.08.27)


ずっと書きたかった土銀土の3Pをやっと書けました!…「土銀土」が「銀さんを土方さん二人で挟んだ3P」って意味じゃないのは分かってますよ(笑)。

銀土銀の方は以前、銀×土×白血球王書きましたが、その時に銀さんが真ん中バージョンも書きたいなぁと思っていたんです。そこで、どうやったら土方さんを二人にできるかと

くだらないことを一所懸命考えた結果、このような形になりました。それにしても…ポニ方さんのセリフが少ない^^;

ここまでお読みくださりありがとうございました

 

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