あー……もう限界!!昨日も一昨日もしようと思ったのにできねェし……だから今日は限界の限界!!
早く一人になりてぇぇぇぇ!!

家のコタツに入り、ミカンの皮を剥きながら俺は心の中で叫ぶ。
俺の左側には神楽がいて、五個目のミカンに手を伸ばすところで、その向かいには新八がいて
ちまちまと白い筋を取り除いている。……ここ数日、朝からこんな感じでグダグダ過ごしている。
依頼もねェから、このままだとコイツらずっと家から出ないだろう。
それは困る。
何てったって俺は限界なんだから。

「新八、神楽、ちょっくら買い出しに行ってくんねェか?」
「何の買い出しですか?」
「……晩メシの材料。」

限界の俺は適当に用事を言い付けて外へ行ってもらう作戦に出た。

「酢こんぶも買っていいアルか?」
「一個だけだぞ。」
「きゃっほ〜!新八ィ、早く行くアル!」

いいぞ、神楽!早く行け!

「でも、冷蔵庫に結構色々入ってますけど……」
「じゃあ、食後のデザートだけでいいから買いに行ってくれ。」
「プリンもまだ残ってますよ?」
「今日はプリンの気分じゃねェの。」
「消費期限、今日までなんだから食べて下さいよ。」

いいから行けよ!ったく新八のヤツ……ムダに気が利き過ぎるんだよ!

「何でもいいから早く行くネ。酢こんぶが私を待ってるアル!」

ほら、神楽を見習えよ。

「プリンはプリンで食うから、他にも何か甘いもん買って来てくれや。」
「デザートは一つだけです。」

オカンかお前は!!ぶっちゃけ、買って来るもんなんて何でもいーんだよ!一人になりさえすれば
何も買って来なくたっていいんだよ!!
そんな俺の願いも虚しく、新八は「無駄遣い禁止」と言って動こうとしない。

そうこうしているうちにババァが家賃の取り立てにやって来たから居留守を決め込み、結局、
今日も一人の時間ができなかった。

あとはもう、トシだけが頼りだ。


トシとぎんと一人じゃできないもん


今日はデートの日。ぎんと会うのは五日ぶりだ。ぎん、元気にしてたかな……
待ち合わせ場所が見えてくると先に来ていたぎんが俺に気付き、満面の笑みで大きく手を振った。

「トーシ〜!!」
「ぎん!」

俺も嬉しくなって手を振りながらぎんに駆け寄る。

今笑ったヤツ……少し黙ってろ。
俺達は愛し合っているんだ。愛する者と会うのは嬉しい。それを表に出して何が悪い。

「ぎん、待たせt「早くホテル行こうぜ!」
「……おう。」

今笑ったヤツ……頼むから黙っててくれ。ていうかこれは、そういうことじゃないぞ!
コイツなりの愛情表現なんだ!愛する者とヤりたいと思うのは当然だろ!何が悪い!

「なあトシ、早くホテル行こうって。」
「お、おう……」

ったく、お前らがうるせェからぎんに同じこと言わせちまったじゃねーか。
……何?俺が勝手に話し掛けたんじゃないかって?チッ……ンなこと言うなら今後一切テメーらの
言うことに耳なんか貸さねェよ。俺が一方的に喋るから、テメーら黙って聞いてやがれ!

俺は、ぎんと共に行き付けの宿に向かった。


*  *  *  *  *


ぎんはブーツを脱いで部屋に上がると、歩きながら帯とベルトを外し、着流しを脱ぎ、黒の上下も
脱いで……ベッドへ辿り着くまでに素っ裸になっていた。

まあ、何となく予想はしていたが、ぎんのナニは完全に勃ち上がっていた。
前に会ったのが五日前……あの感じからするとヌいてねェな。そういえば出張で会えなかった時、
一人でヤるのは三日で飽きたと言っていたな……。それからヌくのを止めたのか?

「トシ、早くセックスしようぜ!」
「あ、ああ。」

急かされて俺もベッドへ上がる。
着物のままだが、ぎんのナニを落ち着かせることが先決だ。まずは出すもん出してやらねーと……

俺はぎんに軽く口付けてからナニを握った。


「ああぁっ!!」


出てきたモノはかなり濃くて、やはりヌいてなかったのだと確信した。


「ハァ、ハァ、トシ……ケツの中も……」
「ああ、ちゃんとヤるから安心しろ。」


脚を開いて座るぎんの前に座り、ぎんのモノで濡れた指をゆっくり挿入しながら俺は聞いた。


「ぎん、自分でヌいてなかっただろ?」
「んっ……だって、新八、と神楽、が……」
「アイツらに何か言われたのか?」
「違っ……。ずっと、家にいた、から……」
「そうか……」


年頃のガキと生活してちゃ、そうそうヌくこともできねェか……


「トシ……ハァ、今日、いっぱいしてっ……」
「ああ。暫くヤらなくても大丈夫なくらいシてやるからな。」
「あぁっ!」


俺はナカのいい所を押しながらナニも擦ってやった。


「ああっ!それ、気持ちいい……いいっ!!」


ぎんのナニはすぐに回復して先走りが漏れ始める。
いつにも増して感度がいいな。それほど切羽詰まってたってことか……
俺は激しく両手を動かしてぎんを責め立てた。


「ああっ!出そうっ!出るっ!せーえき、出るぅぅぅぅぅ!!」


ぎんのナニから精液が勢いよく噴出した。


「ハァ、ハァ、トシ……勃起した?」
「ああ。入れていいか?」
「うん、早く入れて。あっ、こないだみたいに後ろからでもいい?」
「いいぜ。」


身体中に自分の精液を飛び散らせたまま、ぎんはベッドから下りて壁に手をつき腰を突き出した。
自己処理の方法を知らず俺に助けを求めてきたぎんを、仕事の合間に路地裏で抱いた時の体勢だ。
俺はぎんの腰に手を沿え、ゆっくりと奥まで挿入した。


「あ、あ、ああ……」
「これ、気に入ってたのか?」
「んっ……。すげぇ、気持ちいい……」


ぎんの腹に確りと腕を回して俺は腰を動かし始めた。


「あっ!あっ!あっ!」
「ハァッ……」



それから暫く、部屋の中にはぎんの喘ぎ声と結合部からの水音と腰を打ち付ける音しかしなかった。


「あっ、あっ……ああぁっ!!」
「くっ……!!」


ぎんは身体を震わせて達し、俺もぎんのナカに放った。


「ハァ〜……気持ち良かった。」
「次もこの体勢でヤるか?」


繋がったまま、ぎんを後ろから抱き締めて次のことを聞く。
……このくらい、ぎんにとっては準備運動にもなんねェことくらい分かってる。絶対に次もある。
だがぎんは「うーん……」と唸り悩んでいる様子だ。

「この体勢は気持ちいいんだけど、立ってなきゃいけないのが大変だよな……」
「じゃあ、次はベッドに行くか?」
「でも後ろからの方が気持ちいいし……」
「ベッドでも後ろからヤれるぞ?」
「えっ、そうなの?」

振り返ったぎんの瞳は期待でキラキラと輝いていた。こういう時のぎんは、普段より幼く見えて
非常に可愛い。愛しい。護ってやりたくなる……

「トシ、早くやろうぜ!」
「お、おう……」

さっさと俺の腕から抜け出してベッドへ向かうぎん。……すっ素直で可愛いじゃないか!
現実の厳しさなんて感じてねぇよ!

俺も可愛いぎんの元へ向かった。


「どうすればいいんだ?」
「顔を向こうにして四つん這いになって……」
「こう?」
「ああ。じゃあ……いくぞ。」
「は〜い。」

後ろ向きで表情は見えないものの、ワクワクしているのが判る。
俺は自分のナニを軽く扱いて勃たせ、ぎんの孔にぐっと押し当てた。


「ハッ、あ……」


首を後ろに反らし甘い息を吐き感じ入るぎん。どうやらこの体勢もお気に召したみたいだ……



*  *  *  *  *



「あっ、んんっ……ハッ……」


あれから何度ヤったか……数えるだけ無駄だ。だいたい、どこまでが一回なのか分かんねェし。
ぎんのナカは俺が出したモンで溢れ、ナニを擦っても精液がほとんど出なくなるくらいヤった。


「ハッ……あっ、んあ……」
「……大丈夫か?」
「んっ……」


今ぎんは俺の上に座り、背中を預けて身を任せていて、俺はぎんのナニを優しく扱いている。
繋がったままではあるが、正直、一度抜いたらもう入れられる自信はねェ……。
だが、ぎんもそろそろ限界だろう。肩で呼吸をし、声も枯れてきている。


「ひ、あ……ふっ……」
「ぎん……」


左腕でぎんを抱き留め、項に所有印を残し、ナニを握る右手は最後の力を振り絞って動かした。


「あ、ぁ、くっ……っ!!」
「っ……」


ぎんのナカがぎゅっと絞まり、ナニの先端から僅かに精液が流れ出た。
そしてそのすぐ後、ぎんは目を閉じて動かなくなった。



*  *  *  *  *



「ん……」

気付いた時にはベッドで寝てた。
全身が怠くて全く動く気がしない。でも、トシが後ろからぎゅってしてくれてて心地好い。
精液いっぱい出したのに、何処もドロドロしてない。トシが洗ってくれたんだな……

「ありがと。」

トシの腕に視線を落としてお礼を言って、俺はまた目を閉じた。

やっぱり、トシは頼りになるな……。

(11.12.31)


前話の後書きで「次は出張後の濃厚エッチ」とか書いたのですが、日常生活に戻ってしまいました。期待されていた方がいましたらすみません。

まあ、この二人の場合は出張なんてなくてもヤりまくってるんでご勘弁を^^; このシリーズでは今回初めて一人称で書いたのですが、トシは未だに

ぎんに夢見てるということが分かりました(笑)。純情無垢な恋人とでも思っているようです。……間違ってはいませんけどね。

ここまでお読みくださり、ありがとうございました。そして本作が当サイト今年最後の作品です。皆様、よいお年を。

 

メニューへ戻る