トシとぎんとデートまでの時間
「副長、お客様です。」
「おう。」
自室で仕事をしていた土方は、隊士に呼ばれ玄関へ向かった。そこには恋人の銀時が、
バツの悪そうな表情で立っていた。
「どうしたんだ、ぎん?」
「ごめんね、仕事中に……。実はさ、セックスしたくなっちゃって……」
「なっ!?」
土方は慌てて周囲を確認し、誰にも聞かれていないようだと胸を撫で下ろす。
「なぁトシ……セックんぐっ!」
「ちょっ、ちょっとこっち来い。」
銀時の言葉は口を塞いで遮って、土方はそのまま引き摺るようにして近くの路地へ連れ込んだ。
「何すんだよ……。俺はただ、セックスしたいって言いに来ただけなのに……」
「それが一番問題なんだよ!あんな所でンなこと言うヤツがあるか!」
「……セックスしたいって言っちゃダメなの?」
「あー……そうだったな。」
落ち着きを取り戻した土方は、銀時に何の悪気もないのだと漸く思い至る。
先日、念願叶って交際を始めた二人であったが、銀時はそこで初めてセックスの存在を知った。
銀時としてみれば、やりたいことをやりたいと言っただけで怒られる理由が分からない。
土方は銀時に教え諭すように言う。
「いいか、ぎん……セックスは好きなヤツと二人だけでするもんだ。」
「知ってるよー。この前トシから教わったもん。だから俺、こうやってトシの所に……」
「そうだな。……だが、こういったことは他のヤツに聞かれるような所で話すもんじゃねェ。」
「えっ、話すのもダメなの?」
「ああ。二人でする行為だから、それのついての話も二人きりの時だけだ。」
「そうだったのかァ……。じゃあ、ここではいい?」
「まあな。」
一応ここも外ではあるが、玄関先よりは他人に聞かれる心配はなく、そもそもその為にここへ
連れて来た土方は銀時に言葉を促す。
「俺さ、セックスしたくなっちゃったんだ。」
「そ、そうか。」
「そうか、じゃねーよ。セックスしたいの!……してくれる?」
「い、いや、今は仕事中で……」
「だよねー……ハァ〜、どうしよう……」
「……我慢できねェのか?」
「うん。チンコとケツの中がムズムズする。」
セックスの仕方について最低限の知識を得ただけの銀時は、恥ずかしがることもなく感じたままを
口にする。
「なァどうすればいい?セックスしたい。すっげェしたい!」
「わ、分かった。とりあえずヌいてやるから……」
「抜く?何を?」
「ここ……」
土方は銀時の股間に触れた。そこは服の上からでも判る程に張り詰めていた。
「あ、あのトシ……俺のチンコ、取るの?」
「違ェよ。触って精液出させるってことだ。」
「そうなんだ……。抜くとか言うから、ビックリした。」
「じゃあヌくぞ。」
「うん。」
ファスナーを下ろし、下着の中から取り出した銀時のモノは既に完勃ち状態であった。
「こんなになるまで、よく我慢したな。」
「だってトシ、仕事だし……」
「偉いぞ。」
「んぅっ。」
口付けを交わしたまま土方は銀時のモノを扱いていく。
「んっ、んっ、んっ……」
銀時は土方の首に腕を回してしがみ付きながら、身体を震わせる。
「んっ、んんっ!んんっ!」
土方の手によって直接刺激が与えられれば、我慢を重ねてきた銀時のモノは瞬く間に汁を滴らせ、
そして……
「んぅっ!!」
土方の手の中に精液が吐き出された。
「ハァ〜……」
「治まったか?」
「うん。ありがと。……じゃあ次はケツね。」
「……は?」
「聞いてなかったのかよ……。チンコとケツの中がムズムズするって言っただろ。」
「そ、それは聞いていたが……」
一度射精させれば治まるだろうと思っていた土方は面食らってしまう。けれど、すっかりその気に
なった銀時は期待の籠った瞳で土方を見詰める。
「ねぇトシ、どうすればいいの?早くセックスしてぇよ。」
「お、おう。……じゃあ、壁に手ェ付いて尻をこっちに向けて……」
「は〜い。……あっ、ズボンとパンツ下ろさなきゃダメだよな?」
「そ、そうだな。」
銀時は下に履いている物を膝までずり下げ、壁に手を付いて尻を突き出した。
「こんな感じ?」
「お、おう……じゃあ、触るぞ。」
「早くして。」
土方はこっそりと溜め息を吐いて、銀時のモノで濡れた指を一本挿入した。
「ハッ、あ……」
「声、抑えろよ。見付かったらマズイ。」
「えっ……そんなの、無理なんだけど……」
「頑張れって。……それができなきゃ、ここで終わりだぞ?」
「やだ。」
銀時が口を引き結んだのを確認し、土方は指を奥まで進めた。
「んっ、ふ……」
「その調子だ。」
指を抜き差ししながら曲げ、内部の快楽点を探っていく。
「ふ、んっ……んっ!」
前立腺を押しても、銀時は何とか声を抑えることができていた。
「ハッ、んんっ!んくっ!」
土方は指を二本に増やし、もう一方の手で一物を握る。仕事の途中で抜けて来た土方には
あまり時間がなく、早くイカせて終わりにする必要があった。
「んんっ!くっ……んんっ!」
二本の指で前立腺を刺激しながら一物を扱いていくと、耐えきれないと思ったのか銀時は自分の
左手で口を覆った。
「んぅっ!んっ、んっ……んんーっ!!」
再び銀時の先端から精液が飛び散り、辺りの壁を汚した。
「ふぅ〜……声、我慢すんのって結構キツイな。」
「だがよく頑張ったな。」
「へへへっ……」
「ぎん、悪ィがそろそろ戻らねェと……」
「えぇっ!セックスしてねーじゃん!」
「…………」
「セックスしてくれるって言ったのに、トシの嘘吐き!」
「お、落ち着け。ぎん、お前、疲れてねーのか?」
「トシと違って俺は全然忙しくねーから平気。……トシ、疲れてる?セックスできない?」
「い、いや……じゃあ、一回だけだぞ。」
「分かった。……体勢はさっきと同じでいい?」
「ああ。」
銀時はいそいそと壁に手を付き直し、後ろを振り返る。
「早く、早くっ……」
「わ、分かったから……」
急かされて土方はベルトを緩めて前を寛げ、銀時に触れて猛っていた自身を取り出した。
目を煌めかせてそれを見詰める銀時に、求められる喜びを感じるよりも余計なことを教えたという
後悔の念の方が大きかった。
土方は大きく息を吐き、意を決して自身の先端を銀時の入口に宛がった。
「ハッ、あ……」
「ぎん。」
「んうっ……」
名前を呼ばれて気付き、銀時は上唇と下唇にぎゅっと力を入れる。
「ん……ふ、ぁ……んっ!」
自分の中へ入ってくる土方のモノを、銀時の内壁は歓迎するかのように絡み付く。
「んっ……んぁっ!」
全てを納めきると、ナカが馴染むまでの間、土方はゆっくり銀時の一物を扱いていく。
「んっ、んっ、んっ……トシ、早く動いてっ!」
「大丈夫か?」
「早くっ!!」
「分かった。」
一物を中程まで引き抜き、そしてまた根元まで挿入する。
「ハ、ァ……きもちいー……」
恍惚の表情で感じ入る銀時に安心し、土方は腰のストロークを大きく強くしていく。
「はっ、あ……んっ!んうっ!んーっ!」
銀時の腰も自然に揺れ、自らより強い快感を享受していた。
「んんっ、んんっ、んんっ……」
土方の手の中で銀時のモノがドクドクと脈打ち、限界が近いことを訴えていた。
右手を銀時の腹に回して身体を支え、左手で一物を扱き、ナカを自身で穿つ。
「んうっ!んんっ、んっ……くっ、ああっ!!」
三度(みたび)銀時のモノは弾けた。
それから土方は銀時から自身を抜き、軽く扱いてその辺りに自身の精を吐き出した。
「なぁ……何で中に出してくんなかったの?あのぐちゅぐちゅ感がいいのに……」
「こ、ここじゃ洗えねェから仕方ないだろ……」
「あー、そっかぁ……。やっぱ、宿じゃないと不便だな〜。」
「あっ明日の昼過ぎには仕事が終わるから……」
「マジで!?じゃあ宿に行ける?」
「あ、ああ……」
「やりぃ!トシ、今日は仕事の邪魔しちゃってゴメンね。じゃあまた明日〜!!」
「お、おう。」
ささっと身形を整えて笑顔で走り去っていく銀時を見送りながら土方は、明日のデートに備えて
栄養ドリンクでも買いに行こうと決心していたのだった。
(11.08.31)
一年以上前に書いたトシぎん小説の続きです。おさらいしておきますと、元々は銀土で連載していた「ぎんトシシリーズ」で、それの第一部完を記念して別CPで書いたのが
「トシとぎんと初めての体験」です。今回ふと、純粋培養エロエロ銀さんに会いたくなって続きを書いてしまいました。銀さんは無垢なんで、一人で発散させる方法なんか
知りません。だから、次のデートまで我慢できずに土方さんを訪ねました。誘い受け銀さんにたじたじな土方さんですが、それを教えたのは自分なのできちんと責任取って
もらいましょう(笑)。これの続きは……まだ未定ですが、書くとしたら最初から最後までヤってるだけの話になります。需要がありそうだったらそのうち……
それでは、ここまでお読みいただきありがとうございました。
追記:続きを書きました。予定を変えて、前編は18禁じゃないです。→★
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