嫌なら見なければいい
夜の万事屋。今日は恋人である土方が来るというので、神楽を階下の大家に預け、
いつものように甘い一夜を過ごす予定だった。
…予定「だった」のだが、とある事情によりそれが不可能になり、現在、事務所の長イスで向かい合う
二人の間には、何とも言えぬ緊張感が漂っていた。
「すまない銀時。流石にそれはナイ…」
「どーせ使わねェんだから何だっていいだろ…なっ?」
「使う使わねェの問題じゃねーよ…。とりあえず今日はもう寝ようぜ。」
「よし、分かった!」
そう言うと銀時はいそいそと自分の帯を解きにかかる。
「その『寝る』じゃねーよ!普通に眠るんだよ!!」
「ウチまで来といてヤらずに寝るつもりか!?そんなんだからお前はヘタレって言われんだよ…」
「誰がヘタレだ!俺だってついさっきまではヤるつもりだったわ!!」
「じゃあヤればいいだろ!」
「こんな状態のテメーをヤれるかァァァァ!!」
土方は銀時の着流しから覗く股間のカナヅチを指差して叫んだ。
「悪魔の実だか何だか知らねェけどよ…何でアレがカナヅチになるんだよ。」
「アニメ再開記念なんだから仕方ねーじゃん。大丈夫、一週経てば元に戻るって。」
「じゃあ、ヤるのは来週に…」
「何でそーなるんだよ!ケツは無事なんだからヤろーぜ。」
銀時は土方の横に移動し、身体を密着させる。土方は再び銀時の股間に視線を移した。
「…すまん、無理だ。勃つ気がしねェ…」
「酷ェ!テメーにゃ愛がねーのか!?」
「だから謝ってんじゃねーか…」
「ごめんで済むなら警察いらねーよ。ていうか、俺の股間が何度も受難に見舞われてんのはテメーの
せいなんだからな。」
「は?どういうことだ?」
「テメーが突っ込んでばかりいるから、俺のムスコはいらねェもんだと思われてんだよ!」
「それは関係ねーだろ…」
「そんなことねーよ。…つーわけで、責任取って抱け。」
「だから、お前の身体が元に戻ってからな。」
「ていうか、理由なんてどーでもいいからヤりてェんだよ。…察しろ。」
「…察した上で無理だと思うから謝ってんじゃねーか。」
「分かった…。ったくお前、銀魂の人間のくせにデリケート過ぎるんだよ…。もうちょい下ネタに
慣れた方がいいぞ。」
「す、すまん…」
「じゃあ寝るか?」
「おう…」
二人は事務所の明かりを消して、布団のある和室へ向かった。
* * * * *
「何でだァァァァ!?」
和室に土方の叫び声が響き渡る。
部屋に入るなり、銀時は帯を外し土方の体にぐるぐると巻き付けた。
そして、腕ごと縛られる形になった土方をそのまま布団へ押し倒し、馬乗りになったのだ。
「何すんだ!どけ!解け!」
「まあまあ…銀さんに任せなさいって。」
「いきなり縛るヤツに何を任せられるってんだ!」
「はいはい…」
暴れる土方には構わず、銀時は何処からか手拭いを取り出して土方の目元に被せた。
土方の視界は闇に包まれる。
「お、おいっ!」
「こうすれば余計なモン見なくて済むだろ?いや〜、俺って頭いい!」
「っざけんな!縛られた挙句に目隠しだと!?」
「それじゃあ始め〜。」
「うっ!」
銀時は土方の訴えを受け流し、腹の上に乗ったまま後ろ手で土方の股間を掴んだ。
それはぐにぐにと揉んでいくうちに嵩を増していく。
「う…ぁ…」
「いい反応。…お前だってヤるつもりで来たんだもんな。」
「わ、分かった!ヤるから!だから、解け!」
「折角だからこのまま続けようぜ。目隠し緊縛プレイ♪」
「はぁ!?…うっ!」
銀時の手が下着の中に潜り込んだ。直接的な刺激に、土方のモノは更に硬く大きくなっていく。
「お〜、いい感じ。さてと…」
「?おっおい、何処に…」
体の上の重みがなくなり、土方は慌てて銀時に問う。
「そろそろ脱がせようと思って。」
「そ、そうか…」
土方はホッと息を吐いた。
銀時の行動が見えていないため、何の前置きもなく温もりがなくなると取り残されたように感じるのだ。
最初からそこまで意図していたわけではないが、余裕のない土方を前に銀時のS心が刺激されてくる。
銀時は土方の下着を脱がせると、敢えてゆっくり自分の服を脱いでみた。
「ぎ、銀時…?」
「ん〜?」
「何をして…」
「服、脱いでる。」
「そ、そうか…」
既に服は脱ぎ終えているものの、ちょっとした放置プレイのようなこの状態が楽しくて、銀時は出来る限り
音を立てずに後ろの準備に取り掛かった。
「銀時…」
「なに?」
「その…まだ、脱いでるのか?」
「んー…いつもと勝手が違うからもうちょいかかりそう。」
「そ、そうか…」
(何だかんだ言っても、最終的には俺のしたいようにさせてくれるんだよな…。ていうか、こんだけ放置
されても萎えねェんだから、やっぱ土方ってMだよな…)
銀時は気配を殺し、土方にそっと近付いていく。
「ぎんとき?」
「………」
「お、おい…返事くらいしろ。」
「………」
「銀時!おい、銀と「フッ!」
「うあっ!」
こっそり至近距離まで近付いていた銀時は、土方の耳元に息を吹きかけた。
「ハハハハハ…マジで放置されたと思った?」
「てんめっ…」
土方は力ずくで体に巻かれた帯を外し、目隠しも剥ぎ取った。
「あーあ、取っちゃった。楽しかったのに…」
「テメーが碌なことしねェからだ。」
「まっ、外してもいいか…。ここまで来といて今更ヤらないなんて言わねェよな?」
「まあな…」
土方のモノは完勃ち状態で、出さなければ治まりそうにない。
「じゃあヤろうぜ。」
銀時は土方の前で四つん這いになった。
「…バックでヤんのか?」
「なに?カナヅチがよ〜く見える体位がいい?」
「あ、いや…」
「俺だってなぁ…あんま見せたくねェんだよ。…さっさと入れろ。」
「す、すまん。」
土方は猛る一物を後蕾に宛て、ぐっと腰を進めた。
「ハッ、ぁ…」
銀時から甘い息が漏れると同時にカナヅチがピクピクと震えだす。
土方はカナヅチの柄の部分を握ってみた。
「あっ!」
「これ…気持ちいいのか?」
「形は変わっても、チ○コはチ○コなんだよ…」
普段より頭部に重みのあるそれの触り心地はカナヅチそのものであったが、温もりはいつも通りであった。
「…つーことはココか?」
「あぁっ!」
土方がカナヅチの先端を人差指で押すと、銀時から一際高い声が上がる。
そのままグリグリと刺激し続けるとカナヅチからじんわりと液が滲み出てきた。
「へぇ…出るもんも出るのか。」
「あ、たりまえっ…ああっ!」
土方は腰を動かしながらもカナヅチを触り続けた。
「やっ…も、イクぅぅぅ!!」
いつもより念入りに「前」を刺激された銀時は、あっという間に絶頂を迎えた。
土方は一旦ナカから一物を抜き、銀時を仰向けにして再び挿入した。
「ああぁっ!!」
「すげぇ…マジでカナヅチから出てる。」
無機質な外見のカナヅチが熱を持って膨らみ白濁液を吐き出す様に、土方は夢中になって腰を振る。
「意外と楽しいな、コレ…」
「あっ…遊ぶ、なぁっ!」
結局、この日もいつものように銀時が意識を手放すまで恋人達の交わりは続いたのだった。
(11.04.16)
カナヅチネタ第二弾でした(第一弾は銀土)。銀さんの股間の受難にどうしようもなく萌えてしまいまうんです^^ でも、下ネタNGの土方さんにはキツかったんです。
土方さんは結構ピュアなんで、銀さんのエロカッコカワイイとこしか見たくないんですよ。まあ、それも実際ヤり始めたらどうでもよくなったみたいですが(笑)
これ書いてる最中に思ったのですが、絵描きさんだったらこの話モザイクなしでいけるんですかね?いや、土方さんにはモザイク必要だけども…^^;
股間がカナヅチの状態なら、銀さんにはモザイクいらないですよね。本誌でも出てたし。どなたか素敵なカナヅチ漫画描いてくれないかな(笑)
ここまでお読みくださり、ありがとうございました。