冬―といってもここ江戸ではほとんど雪も降らず、乾燥した晴天が続く季節。
そんな中、雪のように白くふわふわとした髪を靡かせて川原に佇む男が一人――坂田銀時である。
彼は一時間も前からそこにいて、何をするわけでもなくただぼんやりと川の流れを見ていた。

「遅ェよ…」

視線を川に向けたまま、銀時は近付いてきた足音にそう告げる。
足音の主、土方十四郎は紫煙と共に肺の空気を吐き出して言った。

「だから一時間くらい遅れるって電話したじゃねーか…。」
「るせェ…」
「…悪かったよ。団子でも食いに行くか?それともパフェがいいか?」
「後でいい。…まずは、いつもんトコに…」
「そうか。」

振り向きもせず歩いていく銀時の後を、土方は咥え煙草で付いていった。



恋人だからできること



「おっおい、まだ草履も脱いで…」
「るせェ!」
「んぐっ…」

二人がやって来たのは行きつけのラブホテル。
部屋に入って扉を閉めるた途端、銀時はその扉に土方を押し付け、着物の裾を捲って手を差し入れ、
下着から一物を取り出して扱き始めた。
銀時は左腕で土方の後頭部を押さえて唇を合わせ、右手で土方のモノを扱いて育てていく。

「ハァ、ハァ…(もう、いいかな…)」

土方のモノがある程度硬くなったところで、銀時は手と口を離して自分の服に手を掛ける。
銀時はズボンと下着を膝下まで下ろすと土方をどかし、扉に手を付いて後ろを振り返った。

「慣らさなくて大丈夫だから、このまま…」
「…ここでヤんのか?」
「いいじゃん…。土方のだって勃ったんだし…」
「けどよ…」
「あー、もうっ!恋人同士でラブホに来たんだからヤるに決まってんだろ!?」

渋る土方に銀時は苛立ちを露わにする。
土方は銀時を宥めるように後ろから抱き締めた。

「分かったから…ヤらねーなんて言ってねェだろ。ちょっと落ち着けって…」
「もう…我慢できねェんだって…。はやく…」
「―っ!」

銀時は腰を振ってぐりぐりと土方のモノを刺激する。
着物越しに土方のモノが一段大きくなったのを悟ると、銀時のモノは期待に震えて蜜を零し始める。

土方は銀時の着物を捲り、自身の切っ先を割れ目に宛てた。

「キツかったら言えよ。」
「大丈夫、早く…」

土方のモノがゆっくりと銀時の内部に侵入していく。

「あ、あ、あ…」

待ち焦がれた感触に銀時は入ってきたモノを逃すまいと締め付ける。

「おい、力抜けって。…奥まで入んねェぞ。」
「やだ…。奥まで…」
「だから…」
「は、やく…。土方ァ…」
「…聞いてねェな。」

土方は呆れたように息を吐き、銀時を傷付けぬよう慎重に腰を進めていく。

「あっ、あっ…いいっ!」

銀時は扉に肘まで付け、快感により抜けていく力で何とか自分の身体を支えていた。

「あっ、あっ、あぁっ!」
「少しは声、抑えろよ…。廊下に聞こえちまうだろ…」
「むりっ!あっ…きもちいっ…」

自分と交わることで銀時が乱れてくれるのは嬉しいが、それを知るのは自分だけでいい―
土方はさっさとこの場を終わらせて部屋の奥へ入ろうと思い、銀時のモノを握った。

「あぁっ!だめっ…イッちゃう!!」
「イケよ。」

一物を擦りながら腰を動かすと、銀時の身体がビクビクと震える。

「あっ!あっ!…イク!イッ……ああぁっ!!」

土方の手の中に銀時は白濁液を吐き出した。


「あっ…何で抜くんだよ!」

未だ硬度を保ったままのモノが抜けていくのを感じ、銀時は後ろを振り返って不満を表す。

「何でって…お前、イッただろ。」
「土方はまだイッてないじゃん。…つーことでもう一回。」
「中でな…」
「だからナカで出していいって…」
「そのナカじゃねーよ。続きは部屋の中でヤるって言ってんだ。玄関でこれ以上は…」
「ああ、そっち?しょーがねェな…」

銀時は気怠げにブーツを脱ぎ、脱ぎかけだったズボンと下着もその場で下ろして部屋へ入っていく。
土方も草履を脱いで部屋へ上がり、二人とも真っ直ぐにベッドへ向かった。

二人はベッドに上がると着ているものを全て脱いでいく。
土方が銀時に問う。

「…で?どうしたいんだ?」
「次は、前からがいい。」
「分かった。」

銀時が仰向けで横になると土方は銀時の脚を抱え、再び自身を銀時と繋げる。

「ハッ…あ、あ…」

土方が律動を始める頃には、銀時のモノもすっかり回復していた。

「あっ、あっ、あっ…」

銀時は土方の首に縋りついて喘ぐ。

「ああっ!…ハッ…そこっ、いいっ!」
「ここだろ?」
「んっ…そこっ!」

快楽点を傘の部分で擦ると、銀時は素直に気持ちいいと言って腰を揺らす。

「あんっ!あっ…土方っ!きす…」
「んっ…」
「んぅっ!!」

求められるままに唇を合わせ、舌を絡めていく。
上からと下からの快感に銀時は我を忘れて浸っていた。

「んぅっ…んんーっ!!んっ!!」

上半身も密着したことで銀時のモノが二人の身体に挟まれ刺激される。

「んん!んん!んん!」

口内と結合部、そして二人の間で擦れる銀時のモノも、溢れる先走りで水音を立てていた。

「んあっ!…ひじかたっ…イキそう!」
「ああ…俺もイク。」

唇を離して限界を訴えると、土方も同様だと分かる。
二人は確りと抱き合い、頂点目指して腰を振った。

「あっ、あっ、あっ…ああぁっ!!」
「くっ!!」

ほぼ同時に二人は達した。
その直後、銀時は土方の腰に両足を絡める。

「まだ抜くなよ。」
「分かってる。…このままもう一回、だろ?」
「…うん。」


それから少しして、銀時のナカで回復した土方は律動を再開し、銀時から嬌声が上がった。



*  *  *  *  *



「あの…いつも、ごめんね。」

三度の交わりが終わり、銀時は横になったまま、隣で座って煙草を吸っている土方に謝る。

「あ?ナニ言ってんだテメー…」
「だって…いつもヤってばっかじゃん、俺達。」
「…嫌なのか?」
「嫌じゃねーよ…。つーか、誘ってんの俺だし…」
「そうだな…。じゃあ何で謝ったんだよ…」
「だから、会うといつもヤってて…」
「別にいいじゃねーか。」
「そりゃ…いい歳だし、孕むわけじゃねーけど…でも、デートっぽいこと全然してねェ。」

土方は煙草を枕元の灰皿に押し付け、横になって銀時を抱き締める。

「銀時…お前はもっと、別のことがしてェのか?」
「たまには…映画とか、日帰り温泉とか…とりあえず、飲みに行くだけでもさァ…」
「なら、今から行くか?」
「……やだ。」
「は?」
「もうちょい休んだら、またヤりたい。」
「お前、言ってることと違うぞ。」
「…俺だってどうすりゃいいのか、分かんねーんだよ!こんな、身体だけみたいな関係は嫌だけど…
でも、お前といるとヤりたくなって我慢できねェの!のんびりデートなんて耐えられないから!」
「…テメー、変なクスリでもやってんじゃねェだろーな?」
「ふざけるなよ…この、ニコチン中毒及びマヨネーズ依存症が!」

銀時は土方の両頬を思い切り抓り上げた。

「いててて…悪かったって。ほんの冗談だ…」
「もうさァ、こういうことは落ち着いてきたと思ってたんだよねー…。
それなのに、お前と付き合うようになってからは……お前こそ、周りのヤツをその気にさせる香水とか
付けてんじゃねーの?」
「ンなもん付けるか。」
「マジかよ…。今日こそは普通のデートしようって思っても、お前に会うとヤりたくなるんだぜ?」
「知るか…。ヤりたくなったらヤればいいだけの話だろ…」
「…恋人同士なのに、ヤってばっかじゃおかしいだろ…」
「どこがだよ。恋人同士だからヤれるんじゃねーか…」

土方は銀時を抱き締め直す。銀時も特に抵抗することなく身を任せた。

「銀時…お前、本当は俺とヤりたくねェのか?」
「そうじゃねェけど…でも…」
「俺は、お前だからヤりてェと思うし、お前も同じ気持ちなんだとばかり…」
「…まあ、俺だって、そういう気分になるのはお前だけだけど…」
「なら、いいじゃねーか。」
「土方がいいなら、まあ…」
「つーことで…ヤるか?」
「……ヤる。」
「じゃあ…」
「あっ…次は、俺が上に乗るから…」
「おう。」

起き上がろうとした土方を止め、銀時がその上に乗る。

恋人達は今日も濃密な時間を過ごすのだった。


(11.02.09)


久々の土銀18禁でした。逆CPではよくある「土方さんを見ただけで欲情する銀さん」を書きたかったんです^^; 私の書く土銀は銀さん誘い受け気味です。

誘い受けてから、こんなんじゃダメだと反省する銀さんは可愛いと思います。土方さんはエロい銀さん大好きなんで、全然気にしなくていいんですけどね^^

それから今回、即フェラが書けなかったのが個人的反省点です(笑)。ホテルに着いたら、銀さんが土方さんを押し倒して咥えて乗っかる予定でしたが、

銀さんが思った以上に切羽詰まってて、靴を脱ぐ間も惜しんでいたしてしまいました*^^* 即フェラはまた別の機会に取っておきたいと思います。

ここまでお読みいただき、ありがとうございます。

追記:この話をJELLのめだか様が漫画にしてくださいました!2011年夏コミで無料配布されます。詳細は日記の「オフライン」にて。

追記2:配布完了にともない、漫画のデータをいただきました。宝物部屋にあります。

 

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