後編
「イテッ!」
敷きっぱなしになっていた布団の上に俺を落とし(下ろすって感じじゃなかった!あれは落とした!)
土方は腕を組んで俺を見下ろす。
「おいおい土方くん…キャラ違うだろ?いつものヘタレはどうした?」
「るせェ。俺に内緒で何度も何度も浮気しやがって…」
「誤解を招く言い方やめてくれる?自分でヤんのは浮気じゃねーから!」
「この二年、俺がどんな思いでお前に会えない日々を耐えてきたか…そして、どんな思いで自分のモンに
手を伸ばしたか…お前に分かるか!?」
「いやいや…溜まったから自分でヌいただけだろ?それは悪いことじゃねェって。俺もそうしてるし…。
銀さんと別れなくて済んで、これから無理に我慢することないって分かって、良かったじゃねーか」
「…まあな」
土方は布団の横に腰を下ろした。なんだか表情が若干柔らかくなったような気がする。
…フッ、ちょろいな。これでちょっと申し訳なさそうにエッチに誘って、アイツの咥えてやりゃあ
完全に元通りだな。…土方の分際で銀さんにお仕置きしようなんざ、百億万年早いっつーの。
俺はわざとらしいほどに品を作って、でも少し遠慮がちに見えるようにして土方に言った。
「なぁ土方…しようぜ。今回は、迷惑かけたお詫びにサービスするからさぁ…」
「ほ、本当か?」
「ああ…。ずっと我慢させちゃってゴメンね」
「銀時っ!」
「土方ぁ」
土方は俺にガバッと抱き付いてきた。よしっ、これで元通…あ、あれっ?
俺が土方の帯を解く前に土方は俺から離れて元の位置に戻った。
「…土方?」
「自分でヤってるとこ、見せてもらってもいいか?」
「……はい?」
一瞬、何を言われたか理解できなかった。
土方はそんな俺を置いて、一人でうんうん頷きながら話を続ける。
「実は前々から見てみたかったんだが…お前に浮気をさせるわけにはいかねェからと諦めていたんだ。
だが今日、自分でヤんのは浮気じゃねェと分かったから…」
「ちょ、ちょっと待て。見てみたいってお前…視姦プレイとか好きだったわけ?嘘だろ…」
「何のことだ?俺はただ、お前が自分のモンをどうやって触るのか知りたいだけだ」
「…何のために?」
「お前をもっと気持ちよくするために」
「今のままで充分デス…」
「遠慮するな。お前の身体のことはお前が一番詳しいだろ?だから俺に見せて教えてくれ!」
「教えてって…」
土方は布団から少し離れたところに座り直し、期待の込もった熱視線を俺に浴びせる。
えっ…マジでやんの?土方の目の前で?チ○コ出して擦るの?…嫌だー!!!
「あのさ…また今度じゃ、だめ?」
「ダメだ。テメーから『サービスする』なんて言い出すことは滅多にねェ」
「うぅ…」
くそー…アホのくせにこういう勘だけは働きやがる…。
こうなったら仕方ねェ!さっさと終わらせちまおう!ちょこっとだけヤって、あとは土方のが欲しく
なったとでも言って普通にエッチしよう!よし、それで決まり!
俺は一度深呼吸をしてズボンとトランクスを纏めて脱ぎ捨てた。
「…上は脱がないのか?」
「自分でヤんのにそこまでしねェよ。今はいねェけど、普段は新八と神楽もいるし…」
「それもそうか」
妙に納得した様子で土方はまた黙って俺のことを見詰める。
心臓がドキドキうるせェ。…いや、ドキドキなんてそんな可愛いもんじゃねェな…。
ドキンドキン?ドックンドックン?むしろ、ドッカンドッカンくらいじゃね?
ああああ…何でこんなに恥ずかしいんだよ!土方にはケツの穴まで見られてんのに!…見られるどころか
土方の目の前に自ら晒して、舐めさせたことだってあんのに〜〜!
俺はヤケになって自分のムスコを掴んだ。
「んあっ!」
な、なんだ!?握っただけで思わず声が出ちまった!俺、見られて興奮する趣味とかねェはずなのに…
俺は、できるだけそっと手を動かしてみた。
「あっ…んっ………あぁっ!」
ダメだ…声が抑えられねェ!
「ハッ…あ…あぁ…」
「…お前、いつもそんな声出してヤってんのか?」
「ンなわけ…あ、るか…んんっ!」
「じゃあ何で…」
「くっ…サ、ビスだ…。て、めーが…分かりやす、いように…あっ!」
「それはどーも」
「チッ…」
あっという間に完勃ちになったけど、これもサービスだ!土方に見られていつもより感じてるなんて
絶対に認めねェからな!
俺は自分の反応から目を背けたくて、キツく目を閉じてチ○コを扱いた。
「あっ…んんっ!…あぁっ」
ヤバイ…もう、先走りが……見なくても、ぐちゅぐちゅいってんのが聞こえる…
俺はちょっとだけ目を開けて土方の方を見てみた。
「っ!!」
土方の、勃ってる…。俺がヤってんの見て興奮してんのか…。そう思ったら後ろが疼いてきちまった。
もう無理…早く、突っ込んで欲しい…
…ていうか、そういう作戦じゃなかったっけ?そうだよ!作戦通り!
「ひじかたァ…」
「どうした?」
「お前が欲しい…」
「っ!?」
俺は左手を後ろに付いて上半身を少し後ろに倒し、両足を大きく開いてケツの穴を土方に見せつける。
そして、右手の人差指と中指を穴の左右に置いて指を軽く開いた。
「ここ…土方の手で弄って、解して…」
「ぎん、とき…」
「それから、土方のおちん○んで、奥まで突いて…」
ちょっと…いや、かなり恥ずかしかったが、ここまですれば土方は襲ってくるはず!
そしたら羞恥プレイは終わりだ。今日のエッチは結構激しくなるかもしれないけど、二ヶ月ぶりだし
その辺は俺も望むところというか…とにかく、自己処理はお終い!
「銀時…」
「ひじかたぁ〜…」
「一回イッたら何でもしてやるから頑張れ」
「……えっ?」
「もう少しだ。ちゃんと見てるからなっ」
えええええっ!!イクまでヤれってか!?土方の野郎、調子に乗ってSに目覚めた…ってわけじゃ
なさそうだな…。土方の目は真剣そのもので、俺のことを苛めて楽しんでるって感じじゃねェ。
「あ、あの俺…もう、我慢できないんだけど…」
「ああ、イッていいぞ」
「そういうことじゃなくてですね…あの、入れて欲しいんですけど…」
「それはダメだっ。俺がお前に触れるのは、お前が一人でどうヤるか見届けてからだ」
「でっでも…土方だって勃ってるし…」
「俺のことは気にするな。お前は自分が気持ち良くなることだけを考えていればいい…」
マジで!?マジでイクまでヤんの!?ていうか土方は何で我慢できてんの!?アイツ、完勃ちだよ?
しかも俺、めっちゃ誘ってるよ?ここは我慢できなくてガバッとくるとこだろーが!!
…あー、そうか…アイツ、ドMだからな…。我慢すんのが好きなのか…チクショー…ヤるしかねェか…
俺は先走りでヌルヌルになった指を二本まとめて挿入した。
「くっ…んっ!」
「………」
土方は俺が後ろを弄りだしたのを見て、ちょっと驚いた顔をした。チッ…テメーが何度も何度も何度も
ガンガンに突いてくれたせいで、もうコッチなしじゃイケねーんだよ!テメーが触ってくれりゃあ
辛うじて前だけでもイケるのに…触ってくれないんじゃ、こうするしかねェじゃねーか!
「んっ…ああっ!」
指先が前立腺に触れた。
「ああっ!あっ…ああっ!」
自分の指で前立腺を弄っていると、もう色んなことがどうでもよくなってくる。
とにかく早く土方のモンを突っ込んで欲しい!それには早くイカなきゃ…
俺はナカの指を三本にしてぐりぐりと前立腺を押しまくった。
「ああっ!いっ…イク…イク!っ…ひじかたァ!!」
土方が欲しくて欲しくて…俺は土方の目を見ながら、土方に触られてると思いながらイッた。
それからは…あんま覚えてねェ。
後から聞いた話だと、自分でイッた直後に俺は土方を押し倒し(土方は『襲いかかった』と表現した)
土方のパンツを少しだけ下げてチ○コを取り出してその上に乗っかったそうだ。
そんで、土方が勃たなくなるまで腰振ってたって言われたけど…さすがに、そこまではしてないと思う。
俺が分からないと思って…こっちが記憶飛ばしたってことは、アイツがヤりまくったに決まってるだろ…
何だか翌朝、土方がビクビクしてた気がするけど…気のせいだよな?
むしろアイツはヘタレだから、最初からこんな感じだったよな?
こうして、土方の浮気発言に端を発した今回の事件は、単なる(アホな)勘違いだったことが分かり
俺達は今まで通りの付き合いを続けていくこととなった。
めでたしめでたし…で、いいんだよな?
(10.11.19)
前編を読んでお仕置きエッチを期待されていた方、申し訳ありませんでした。土方さんがあまりにもヘタレで騙されやすいためお仕置きはできませんでした^^;
土方さんを手玉に取るつもりで逆に大変なことになっちゃう銀さんは書いていて楽しいです^^ そして襲い受けも。もちろん、最後に土方さんが言ったことが
真実です。恥ずかしさと土方さん(の×××)欲しさに我を忘れた銀さんに、土方さんは襲われました(笑) 逆レイp…機会があればきちんと書きたいです^^
ここまでお読みくださり、ありがとうございました。
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