お前の受難は俺の受難
夜の万事屋。今日は恋人である土方が来るというので、神楽を階下の大家に預け、
いつものように甘い一夜を過ごす予定だった。
…予定「だった」のだが、とある事情によりそれが不可能になり、現在、二人の間には何とも言えぬ
緊張感が漂っていた。
二人は事務所の長イスに向かい合って座っている。銀時は背筋をピンと伸ばし、膝に手を置いて俯き、
土方は背凭れに片肘を置き、踏ん反り返って煙草を吹かしていた。
「フー…」
「っ!」
土方が溜息と共に紫煙を吐き出すと、銀時は怯えたように身体をビクリと震わせる。
「もういいだろ…元の関係に戻ろうぜ。」
「待てよ!元って俺達、ダチですらなかったじゃん!戻ったら単なる知り合いだぜ?」
「じゃあ、ダチになるってことでいいな。」
「いやいやいや…あんなこともこんなこともしといて、今更ダチになんかなれねーよ。」
「あんなこともこんなことも出来なくなったんだから、今の関係続けてても無駄だろ。」
「そんなことねェ!」
銀時は力強く言い放つ。だが、土方の態度は変わらない。
「できないったって、一時的なもんだろ?ちょっと飛沫に当たっただけなんだからさァ…」
「…そうやって『一時的に』できなくなるの、何度目だ?」
「だ、だからー…これはどんな姿になっても何でもやるっていう何でも屋の気概をだな…」
「何でもやるっつーか、その状態じゃ何もできねーだろ…」
土方は銀時の着流しから覗く股間のカナヅチを見てまた一つ溜息を吐いた。
「ドライバー、ドット化、タマナシときて、今度はカナヅチ?ハッ…有り得ねェ。」
「俺だって、なりたくてなってるわけじゃ…」
「悪気がなきゃ何でも許されると思ってんのか?」
「で、でも…だからって別れなくてもさァ…」
「いや、ヤれなくなったテメーにゃ用はねェ。」
「ひ、土方くん?そんなこと言ったらお前、エッチなこと大好きな淫乱副長だと思われるぜ。」
「あ?こうなったのはテメーのせいだろーが。会う度に際限なくヤりやがって…。おかげで俺ァ…」
「銀さんなしじゃダメな感じ?嬉しいなぁ…」
銀時は口元を綻ばせ、土方の隣に移動して肩を抱く。
しかし土方はその手を抜けて立ち上がった。
「ヤれねェのにくっ付くんじゃねーよ。」
「そんなつれないこと言わないでよ。この体でも口とか手とか使ってならできるからさっ。」
「ンな中途半端なことされるくれェなら自分でヤった方がマシだ。…じゃあな。」
「えっ?一人でヌくの?それはそれで見てみたいけども…」
「誰がここでヤるっつった!?俺ァ帰るんだよ!」
玄関へ向かう土方を、銀時は縋り付いて引き止める。
「待って待って待って〜っ!」
「くっ付くなっつってんだろ!…ヤりたくなる。」
「おまっ…そんなエロい顔して外出てみ?間違いなく襲われるって!」
「襲うことすらできねェ野郎よりは…」
「冗談だよなァ!?エロいこと好きなのは銀さんが好きだからでしょ?」
「最初のうちは、そうだったかもな。」
「おいぃぃぃぃっ!『最初』ってどーゆーことだ!!今は違うってことか!?」
「さあな…。とりあえず今日、ヤれなくなったと聞いて非常にガッカリしたことは確かだ。」
「そんなァァァァ…」
打ちひしがれる銀時はそれでも土方を離さない。
「離せ!」
「ヤダ!この際、カラダ目当てでもいいから帰らないで!」
「だからそのカラダが…」
「頑張るから!確かに股間はカナヅチだけども、それ以外の全てを使って絶対に満足させるから!」
「……絶対だな?」
「絶っっっっ対!!」
「………分かった。」
「ありがとーーー!!!」
銀時は土方に飛び付き、二人は布団の敷いてある和室に向かった。
* * * * *
「あっ、んっ!あっ、あっ…」
布団の上、土方は全裸になり銀時に一物を咥えられながら後ろに指を挿入されている。
「あっ、あっ…ああっ!!」
口内に吐き出されたモノを飲み込むため、銀時は一旦口を離した。
その間もナカの指は動かし続ける。
「ひああぁっ!!」
「………」
きゅうきゅうとナカの指を締め付けながら悶える土方を見ていると、銀時の脳裏に一抹の不安が過る。
気持ち良ければ本当に誰でもいいのだろうか…。確かに、会えば大概―銀時の股間が無事な限り―
土方を抱いてきた。付き合い始めの頃は盛り過ぎだ何だと文句も言っていたが、最近は特に抵抗もなく
抱かせてくれるようになっていた。
男相手は銀時が初めてであったが、この乱れようからするに元々素質はあったのかもしれない。
いやいやいや…銀時は頭(かぶり)を振った。土方は誰彼構わず足を開くような男じゃない。
そう思い直し、萎える間もなく雫を零し続ける土方の根元を戒めながら口淫を再開させた。
「やめっ!…離、せっ!!」
「我慢した方が気持ちいいでしょ。」
「ひうぅっ!!」
挿入している三本の指を激しく揺すりながら震える一物をキツめに吸うと、土方は精液を出さずに達する。
「やああぁっ!!」
その後も、土方が意識を手放すまで銀時は責めの手を緩めなかった。
* * * * *
「んっ…」
土方が目を覚ますと、寝間着を着て銀時に後ろから抱き締められるような体勢で寝ていた。
身体もきれいに拭われているようである。銀時の規則的な寝息が微かに聞こえてくる。
土方は銀時を起こさぬようそっと腕から抜け出して、銀時の頬に唇を押し宛てた。
「悪かった…」
銀時の寝顔に向かい、土方は呟く。
「仕事が忙しくてイライラして、心にもないことを言っちまった。…俺には、お前だけだから…」
今度は銀時の唇に口付けると、土方は急いで元の体勢に戻り目を閉じる。
その頬は真っ赤に染まっていて、後ろで銀時が口元を緩ませているのに気付く余裕などありはしなかった。
(11.04.14)
銀さんの股間の受難にどうしようもなく萌えてしまいます^^ ですが、股間が大変な時に土方さんにも冷たくされっぱなしじゃ可哀想だと思って
最後はちょっと甘くしました。もちろん銀さんは起きてますよ。そして翌朝、股間が元に戻っていたら真っ先に土方さんを襲うと思います(笑)
土方さんも襲われるのを期待してるんじゃないかな?でも結局一晩じゃ戻らなくて、二人ともガッカリってオチも捨て難い(笑)
というわけで、この後の展開は皆様のご想像にお任せいたします!ここまでお読みくださり、ありがとうございました。