後編
銀時達が携帯電話を持って数日が経過した。神楽は毎日楽しげにメールをしていたが、銀時と新八は
来る日も来る日も大量に送られてくる神楽からのメールにうんざりしていた。
また、土方の携帯電話の番号とメールアドレスは銀時の携帯電話に登録してあるものの、特にそれで
連絡を取り合うということもなく、今まで通り―外で会った時に約束をする―であった。
けれどこの日、土方は翌日が急に休みになった。
予定していた会議が延期になり、急ぎの仕事もないからと近藤から休むよう勧められたのだ。
土方は知らせるだけ知らせてみようと、返信を期待せずに銀時の携帯電話にメールを送ってみた。
Sub:明日
本文:休みになった。
「おっ…」
意外にもすぐに銀時からメールが届く。
初めてもらった恋人からのメール…土方は胸が高鳴るのを感じつつメールを開いた。
Sub:土方君へ 明日は俺パ
本文:
「プッ…(タイトルに文字入れて途中で切れてやがる。)」
慣れないながら懸命に返事を送ろうとしてくれたのだと微笑ましく画面を見ていると
再び銀時からメールが届く。
Sub:土方君へ 明日は俺パ
本文:チンコいく予定だったんだけど…デートしたい?
「ププッ…(上から目線なんだが、変な所で区切れてるせいで怒る気がしねぇ…)」
土方は口元を緩ませて返信のメールを打つ。
Sub:万事屋へ
本文:テメーと違って俺は忙しいんだ。会える時に会っとかないと後悔するぞ。
Sub:明日は、行き付けのパ
本文:チンコ屋が新台入替なんだよねー
(またここで切れんのかよ…。奇跡的だな。)
Sub:そうか
本文:じゃあ好きにしろ。
Sub:土方君も俺と一緒にパ
本文:チンコしない?
(…わざとやってんのか?いやまさかな…)
Sub:少しだけなら
本文:付き合ってやってもいいぞ。
Sub:じゃあ二人で一緒にパ
本文:チンコ行こう。三丁目の角にあるフィーバーっていう名前の店だから
(………マジで偶然か?それとも何かの嫌がらせか?とりあえず、パチンコの話は終わりにしよう。)
Sub:今日は
本文:仕事、休みなのか?
Sub:依頼がないから今はパ
本文:チンコしてる
(おいィィィ!もうこれわざとだろ!何があってもパ・チンコ返しするつもりだろ!!)
土方は指に力を入れ、若干の怒りを込めてメールを打った。
Sub:もっと真面目に
本文:働け。
Sub:働いてま〜す。今月パ
本文:チンコ負けなしだから!
Sub:じゃあ、その金で
本文:ガキ共に美味いものでも食わせてやれ。
Sub:土方君って…アイツら
本文:のお母さんみたいじゃね?
(誰がだァァァ!!パ・チンコ返しが終わったと思ったら変なこと言いやがって!!)
Sub:違う
本文:ろくでなしの雇い主のもとで働いてるガキを心配すんのは、大人として当然だ。
Sub:そんなこと言って土方
本文:君は俺のこと好きで好きでしょーがないくせに
Sub:違う
本文:テメーが好きだと言ったから付き合ってやってるんだ。
Sub:俺に好きだって言われ
本文:てめちゃくちゃ喜んでたじゃん
Sub:喜んでない
本文:事実を捻じ曲げるな
Sub:あれは絶対に喜んでた
本文:。セックスの時だって好きとか言うと俺のチンコきゅうきゅう締め付けてくるし
Sub:そんなことはない
本文:テメーの妄想だ。
Sub:土方君は銀さんが好き
本文:すぎてチンコ千切れそうなくらいぎゅーーーーーって締めてまーす
「万事屋の野郎!!」
メールでは埒が明かないと土方が通話ボタンを押そうとした時、一通のメールが届いた。
Sub:銀さん&土方さんへ
本文:新八です。いきなりすみません。さっきから銀さんが送っているメール、土方さん宛てだと
思いますが、僕のところにも届いています。おそらく、間違って一斉送信してるんだと思います。
(一斉送信…?)
新八からのメールは土方にとって信じ難い…というより信じたくない事実を伝えていた。
土方は自らを奮い立たせて通話ボタンを押す。
『もしもし?…土方?』
「ああ。…メガネからのメール、見たか?」
『一斉送信がどうのってやつ?』
「ああ。マジで一斉送信したのか?」
『分かんねぇ。』
「…すくなくともメガネには届いてたってことだよな?」
『そうみたい…』
「因みにお前、何件登録してる?」
『登録?』
「メールアドレス。…その携帯に登録してんだろ?何人だ?」
『初日にお前の登録して…その後、新八と神楽が手帳見ながら勝手にやってたな。多分、三百くらい…』
「三百ぅ!?何でそんなに多いんだよ!!」
『知り合いを片っ端から登録したっぽい。…依頼で一回会っただけのヤツも、アドレスが分かれば全部。』
「…その中に、俺が知ってるヤツはいるか?」
『新八と神楽とババァと九兵衛と…(ヅラは言わない方がいいよな)あとは…』
「…ウチの連中は入ってねぇよな?」
『あっ、沖田くんとゴリラとジミーは入ってると思う。』
「こ、近藤さんに、総悟…」
『でもその三人だけだよ。良かったな。俺達の関係知ってるヤツだけで…あれっ?おーい!土方?』
土方は手から携帯電話が滑り落ちても、それを拾う気力すらなかった。
それから土方は「一斉送信してませんように」と只管祈りながら時間を過ごすことになる。
けれど、外回りから戻った沖田に「チンコの旦那が大好きな淫乱副長、死ねコノヤロー」と言われたり
近藤に「熱々ラブラブで羨ましいぞ」と言われたりして、祈っても無駄であると早々に悟るのだった。
この日以来、土方が銀時とメールを交わすことはなかった。
(11.05.27)
「原作のような男らしいケンカップルが一番好き」とのことでしたが、あまりケンカしてないような…^^; メールでケンカさせようとしたのがそもそも間違いだった、のかな?
「できれば銀さんはちょいSで」というリクには添えているかも?銀さんとSっ気は基本セットですよね^^ 銀さんのメールタイトル(Sub)の文字数は、あまり長いと「パ」止めが
厳しくなるので全角十文字にしました。…もし違っている個所があったら教えて下さい(笑)
この話にも「おまけ」を付けました。他のリク小説の流れだと銀土エロとなるところなのですが…ごめんなさい。エロどころか、銀さん出て来ないです^^;
それでもいいよっていう心の広い方のみどうぞ。→★