土方くんと高杉くん:朝の告白編
「晋助って本が好きだったんだな」
「違ェよ…俺が好きなのは十四郎だ」
「えっ…」
「十四郎、好きだ。ガキの頃からずっと…」
「……悪ィ。俺、付き合ってるヤツがいるんだ…」
「坂田か?」
「あ、えっと…」
「まあ、そうじゃねェかと思ってた」
「その…すまない」
「そんな顔すんな。…友達付き合いは続けてくれるんだろ?」
「晋助が、いいなら…」
「もちろんだ。これからもよろしくな」
「ああ…」
※この後、考え抜いた末に土方くんは坂田くんと別れることを決意しました。
土方くんと高杉くん:過去との決別編
「十四郎、坂田と別れたって本当か?」
「………」
「何で別れた?」
「…晋助には関係ないだろ」
「それで俺が喜ぶとでも思ったのか?」
「だから、晋助とは関係ないって…」
「だったら何で別れた!?」
「―っ」
「十四郎…お前、まだ俺の左目のことを気にしてんのか?」
「………」
「ハァー…あのな、俺はもう十年以上右目だけで生活してんだぞ?もう右目だけの方が長い。
俺にとっちゃ、この状態はなんの不自由もねェんだよ」
「…で、でもよ…」
「十四郎は俺をバカにしてんのか?十四郎が付いてねェと何もできないとでも思ってんのか?」
「そんなわけじゃ…」
「だったら今すぐ坂田と縒り戻してこい」
「い、今すぐ?」
「今すぐだ。ほら、坂田に電話しろ」
「こ、ここで!?」
「十四郎は俺がいねェとダメみたいだからな…ちゃんと見届けてやる」
「あの…ウチに帰ったら電話するから…」
「ダメだ。今すぐ!」
「うぅ…」
「……携帯握り締めてねェで早く掛けろって」
「あ、ああ…」
「…仕方ねェな。貸せ!」
「あ、ちょっ…」
「坂田、坂田…お、これだな?…ほらよ」
「ちょっ…もう呼び出してんじゃねーか!……あ、あの、坂田…その…えっと…」
『土方…明日の昼メシ、いつものところで食おうな』
「あ、ああ…」
『じゃあ、また明日な』
「あ、ああ…」
「…もう終わりか?ちゃんと復縁したんだろーな…。お前『ああ』しか言ってねェじゃねーか」
「大丈夫…だと思う」
「それならいい…」
「あの、晋助…ありがとう」
「…俺は諦めたわけじゃねェからな。過去なんか関係なく、今の俺の魅力で十四郎を振り向かせてみせる」
「晋助…」
「おっ、今ちょっとときめいたか?何ならもう、坂田と別れるか?」
「プッ…何だよそれ。さっきまで縒り戻せとか言ってたヤツが…」
「やっと笑った…。そういやぁ俺が好きだっつってから十四郎の笑った顔、見てなかったな…」
「………」
「今こそときめいただろ?さあ、坂田に別れの電話を…」
「かけねェよ。もう…坂田とは別れねェ」
「そうか…まあ、頑張れよ。俺も頑張るからな」
(10.09.24)
というわけで、土方くんと高杉くんの「友情」物語、いかがだったでしょうか^^…これが友情だと思っているのは土方くんだけで、高杉くんは愛の物語への第一歩だと思ってます。
高杉はサラッとくさいセリフを吐くイメージがあります(笑)。ですが高校生&幼馴染設定にしたので、最後はちょっと子どもっぽくなってしまいました^^;
最後の高杉くん、なんだか銀さんみたいですね。…いや、別に銀さんが悪いわけじゃないんですが、原作の高杉はもっとクールなのになァと…。高杉くんが銀さん化(?)したのは
「土方さんが懐く人=銀さん」という腐の方程式が管理人の脳内に植えつけられているせいだと思われます(笑)。高杉ファンの皆様、申し訳ありませんでした。
ここまでお読みくださり、ありがとうございました。
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