ついったー140字作文集その6
お題配布元：似てる二人のお題ったー
・ランダムに出てくる3語を使って140字以内で作文。基本的に一話完結。
・ＣＰ（攻受）はどうとでも取れるように書いてるつもりです。
・冒頭の数字は作品番号。末尾はつぶやいた日です。
・ツイッターの雰囲気を出すために作文は改行指定していませんので、
見辛い方はウインドウの幅を狭めてお読みいただけたらと思います。
(51)「部屋」「歯型」「あんまん」
自分の部屋で目覚めた銀時少年（５歳）は夢だったのかと安堵した。おやつよと母に呼ばれ洗面台へ向かう。手を洗おうと袖を捲れば右腕にくっきり残る歯型。夢ではなかったのだ。テーブルの上、あんまんが一つ。「十四郎君がくれたの」母の言葉に右腕を撫でる。冷えたそれはどの菓子よりも美味しかった。 (13.12.31)
(52)「ブランコ」「肉まん」「見る」
片手では持てない数の十円玉。銀時少年（５歳）は肉まんを一つ買うと公園に走った。ブランコで遊んでいたのは同じ組の十四郎少年。買い物袋ごと無言で渡せば、十四郎はごめんねと微笑み受け取った。帽子の隙間から見えた包帯に銀時の涙が溢れ出す。そんな銀時の手を引き、十四郎は銀時の家へ向かった。 (13.12.31)
(53)「水面」「雑煮」「眼鏡」
「今回もお汁粉になっちゃいました」土方が到着するなり新八は頭を下げた。前のデートで雑煮が食いたい、つったのはこれか……水面下で動くなんて姑息なマネを。町内もちつき会の餅は誰が何と言おうと汁粉にする！俺に内緒で眼鏡掛け器と通じた罰だ。煮込んじまった鶏肉と野菜は定春のエサにしてやる。 (13.12.31)
(54)「今」「着ぶくれ」「蕎麦」
仕事が片付きちょっと一息のつもりだった。除夜の鐘で目覚めて表へ飛び出せば、着ぶくれた万事屋に出会した。「お巡りさんに年越蕎麦の配達」コイツの家で年を越すと宣言したのは俺。なのに……正直に話し謝れば働き過ぎだと笑われた。万事屋を招き入れつつ決意する。今年の大晦日は絶対コイツの家で！ (14.01.03)
(55)「カウンター」「大根」「卵」
おでんが食いてぇと唐突に土方が呟いた。ここはラーメン屋。煮卵追加で我慢しろと宥めたものの、大根がなけりゃ認めねぇってお前なぁ……あ？誰の頭が白滝だコラ！カウンターの中で親父は肩を震わせている。お前、どうせ皆マヨネーズ味にするんだろ？だったら大人しく食っとけよ、この酔っ払い。 (14.01.15)
(56)「コンビニ」「疑惑」「着信」※山崎誕生日記念
二月六日零時の着信は潜入終了の報せ。疑惑が晴れて何よりだが……あ、副長！迎えに来てくれた？そのコンビニ袋はもしや！ケーキかと問えば見事に大正解。そう、今日は俺の――「万事屋が初キス記念日だと言うからな」「はい？」それ旦那と食うのかよォォォォ！あれ？先週は初エッチ記念日って確か…… (14.02.06)
(57)「ベッド」「刃」「開く」
「昔な、検査か何かで瞳孔開く目薬ってのしたことあんだよ。そん時試しに表見てみたら眩しいのなんのって……眼球に刃物が刺さったかと思ったね。結局その日は薬が切れるまで病院のベッドで昼寝を――」「……銀ちゃん」「何？」「会いたいなら行っていいヨ」「べっ別に会いたくかねぇし！！」 (14.02.20)
(58)「薬」「約束」「飴」
ガキの頃、病気になると決まって母親が飴玉をくれた。それがケンカ友達の仕業だったと判明したのは、「飴玉治療」もとうになくなった中学時代のある日のこと。それから俺の中でヤツはただのダチじゃなくなった。
まあその後も色々あったが、俺専用の薬屋とは高校卒業後、一緒に暮らす約束をしている。 (14.02.20)
(59)「縁側」「懐」「写真」※猫の日記念
土方が消えた。前夜、一人で飲みに出たきり戻らなかったのだ。折しもかぶき町では大量の行方不明事件と猫の増殖が一夜にして起こり、テロとの関連を疑って真選組は大童。副長失踪と無関係かもしれないが……沖田は懐から携帯電話を取り出して、縁側で白猫に身を寄せ丸くなる黒猫の写真を撮影した。 (14.02.22)
こちらは別のお題より。
(60)いつもとかわらない二人のサスペンス風SS
かぶき町の雑居ビル。坂田に屋上へと追い詰められた土方は転落防止柵を乗り越――「ちょっと待て。俺が追われる側は不自然だろ」「じゃんけんに負けたのが悪い」「ならせめて崖に追い詰めろ」「いいなそれ。じゃあ崖に着く迄は駆け落ちごっこな」「はいはい」――町を離れた二人の行方は誰も知らない。 (14.01.15)
(51)と(52)はセットです。慣れないケンカに沈む幼児二人、美味しいですもぐもぐ＾＾ この二人も数年経てば立派なケンカップルになると思います。
(56)は初キスより初エッチを先に済ませた二人のつもりで書きましたが、フォロワーさんから「初キスの後一年近く経って初エッチ」という
コメントをいただき、それもいいなと思いました＾＾ (58)はどちら視点か分からないように書いたつもりです。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
(14.02.22)
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