(んっ…ここ、どこだ?川原?土手?何で俺、こんなところに…つーかココ、本当にどこだ?
随分古い家が多いな…でも、向こうにタワーみたいなのが見えるし…おかしなところだな…
…とりあえずその辺の人に聞いてみるか)

「あの〜、すいません…ここってどこですかね?ちょっと、道に迷ってしまったみたいで…」
「何言ってんだい…銀さんだろ?眼鏡なんかかけて変装のつもりかい?その頭でバレバレだよ」
「いやあの、だから、ここは一体…」
「はいはい。アンタの住んでる町だよ」
「えぇっ!!…あの、ちなみに今って何年の何月何日でしたっけ?」
「何だい…記憶喪失ごっこかィ?…ああ、そうか。今日は銀さんの誕生日だったね。
じゃあ、この饅頭をあげるよ」
「え、あの…」
「じゃあね」
「あっちょっ…」

(何なんだ一体…どうして見ず知らずの人が俺の誕生日を知ってんだ?つーか、向こうは俺のこと
知ってるっぽかったな。…生徒の保護者?いや、それだったら「銀さん」なんて呼び方しねェよな
…ん?銀さん?まさか、ここは…)



2010年銀誕記念小説:おめでとう銀さんありがとう銀さん



(やっぱりあった!万事屋銀ちゃん…マジでか?マジでこの家ん中に「銀さん」がいんのか?
…何で俺がここにいんのか分からねェが、行ってみるしかねェよな)

ピンポーン

(………留守か?それとも「銀さん」は向こうに行ってる、とか?でも一応…)

ピンポーン、ピンポーン、ピンポーン


銀時:はいはい…ンだよ。いつもは勝手に入ってくるじゃ…あれっ?
銀八:…マジでいた。アンタ、銀さんだろ?万事屋の、坂田銀時。
銀時:そういうアンタは…銀八先生?
銀八:ああ。
銀時:…えっ、なんで?なんで銀八先生がここにいるわけ?別次元の存在じゃねェの?
銀八:俺だって分かんねェよ。…気付いたら「この世界の」川原の土手にいた。
銀時:…まあ、入れよ。
銀八:ああ…


*  *  *  *  *


銀時:…にしても、何でこんなところにいんの?
銀八:だから知らねェよ。今日は日曜だからウチで寝てたのによー…
銀時:えっ、先生って休みの日はウチで寝てんの?
銀八:当然だろ。…そういう銀さんはどうなんだよ。
銀時:俺?俺は先生と違って定休日ねェからなー…
銀八:自営業って大変そうだよな。
銀時:そう!先月なんか、家賃も公共料金も一切払えなかったからね。
銀八2:はぁっ!?なんだよそれ…そんなんでよく生きてられんな…
銀時:まあね…。俺くらいになると、それくらいのピンチは軽〜く乗り越えられるっていうか…
銀八3:褒めてねェって…。こんなんじゃ、志村弟と神楽が可哀想だな…
銀時:えっ、銀さんは?銀さんも同じ生活なんだから可哀想じゃね?
銀八3:…アンタは経営者なんだから何とかしろよ。
銀時:なんだよ〜。同じ顔して冷てェな…。やっぱタバコ吸ってると考え方がアイツに似てくんのかね。
  アイツも新八と神楽には、こっそり食事奢ってるみたいだし…
銀八飴:これはレロレロキャンディーだって。…ていうか、アイツって誰だよ。

銀時:…土方。
銀八:土方がタバコを?…ああ、そうか…こっちじゃ成人してるんだったな。
銀時:あっ、そっちの土方は十八歳だっけ?若いよな〜。で、どうなの?若い恋人を持った気分は…
赤面:こここっ恋人じゃねェよ!
銀時:またまたぁ〜…ここはそういうサイトなんだから照れなくていいって。
赤面:照れてねェ!本当にアイツとはそういう関係じゃねーんだよ!
銀時:…えっ、マジで?何で?その反応だとさァ…好きなんだろ?向こうもきっと好きだと思うよ。
銀八:例え好きでも…アイツは生徒だろーが。
銀時:硬いなァ〜。この物語はフィクションであり、実在の人物・団体とは一切関係がないんだから
 その辺はあんま気にしなくてよくね?
銀八:俺が気にすんだよ…。だいたい、生徒じゃなかったとしてもアイツはまだ十八なんだぜ?
 俺なんかと付き合ったら、アイツの将来台無しじゃねーか。
銀時:そうか?銀八先生から見たらガキかもしんねェけど、十八なら充分大人じゃね?
 こっちじゃお妙とか沖田くんが十八だけどよー…立派に働いてるぜ?
銀八:そっちとこっちじゃ状況が違うんだよ。こっちの土方は、働いたこともねェお子ちゃまなの。
銀時:でも好きなら好きだっつって付き合えばいいじゃん。
銀八:だからそれはできねェんだって!
銀時:ほーんと、硬いよなァ。…本当に銀さんがベース?毎日働いてっとこうなるのかね…
銀八3:毎日働くのは普通だろ…

銀時:またその蔑んだような目を向ける…つーかさっきから思ってたんだけど、何で俺はワンパターン?
銀八:は?ナニ言ってんだ?
銀時:台詞の前の顔だよ!銀八先生は驚いたり赤くなったりしてんのに、俺の顔ずっと同じじゃねーか!
銀八:ずっと同じ調子でしゃべってるからじゃねェのか?
銀時:うおああああー!!
銀八:うおっ!何だよ急に…
銀時:ほらな?あんなに大声出したのに顔が変わんねェよ。俺の声に驚いて先生の顔は変わったのに…
銀八:本当だな…
銀時:先生の顔は何種類かあるみたいだけど、俺のはいつもの…というか、いつもより目が死んでねぇ?
銀八:いつものがどんなだかイマイチ分からねェんだけど…
銀時:今の先生の顔から眼鏡とタバコ取っただけだって!瞳にちょっと光が入ってるの!なんだよ…
 俺、今日誕生日だってのに扱い酷くね?誕生日だから活躍できるって期待してたのに…
銀八:…俺も誕生日だけどな。
銀時:あっ、そうか。なるほど〜…今回は銀さん同士楽しく誕生日を過ごそうって企画だな。
銀八:そうなのか?
銀時:きっとそうだって。実はよー…俺、こっちの土方と会う約束してんだけど、全然来ねェんだよ。
 先生が来る前にも何度かアイツの携帯にかけてみたんだけど、繋がらなくてよ…
銀八:それと、企画とどう関係があるんだ?
銀時:だからー、こっちの土方は多分、そっちの世界に行ってるんだと思う。
銀八2:はぁ!?この世界の土方と俺が入れ替わったってことか!?
銀時:まあ、そんな感じじゃない?前にも似たようなことあったし…そのうち戻るから大丈夫だよー。
銀八:………

銀時:心配すんなって!こんな機会、滅多にないんだから楽しもうぜ。…あっ、テレビでも見る?
銀八:……内容はあまり変わらないんだな。出演者の服装とか髪型は違うけど…
銀時:そうなの?じゃあテレビ見ても面白くねェか…。それでは……教えて銀八先生のコーナー!!
銀八:あ?何だよそれ…
銀時:このサイトに銀八先生は数えるほどしか登場してないからね。この機会に色々聞いちゃいましょー
銀八3:誰に向かって言ってんだ?
銀時:いいからいいから。えーっと、まずは今日で何歳になったの?
銀八:銀さんと同じか少し上?現時点でこのサイト唯一の3Z小説によると土方とちょうど十歳違いって
 なってたから、今は二十八か?まあ、あの小説と今の俺が一緒かどうかも分からんが…
銀時:なるほど〜。銀さんと同じでハッキリしたことは分からないと…。じゃあ、次の質問!
 土方くんとはどんな風に出会ったんですか?
銀八:別に…普通。俺が担任になったクラスにいた…
銀時:そして一目で恋に落ちたと…
赤面:そんなこと言ってねェだろ!
銀時:はいはい…いいから、いいから。このサイトの銀さんと土方くんは、どんな境遇でも恋に落ちて
 どんなに邪魔が入っても結ばれるって決まってんだから。
銀八3:そんな、話の結末をバラすようなことを言っちまっていいのかよ…
銀時:これは言っていいことだから大丈夫。

銀時:では、次の質問〜。先生と土方くんはどこまで進んでるんですか?
銀八2:だから付き合ってないって言ってんだろ!結末がどうであれ、俺達は今ただの教師と生徒だ!
銀時:えー…でもさァ、実際は内緒でキスくらいしてんでしょ?教えてよ〜。
銀八2:付き合ってねェのにするわけねーだろ!
銀時:…マジで?マジで何にもしてねェの?
銀八:してねェよ!
銀時:うっそ〜…だって担任なんでしょ?毎日会うんでしょ?それなのに平気なの?
銀八:平気って何が…
銀時:好きな人が近くにいるんだからさァ、ドキドキとかうずうずとかムラムラとかしねェの?
銀八3:…下世話な野郎だな。
銀時:土方くんなんか十八でしょ?だったら毎日先生のこと想ってヌいてるかもよ?
赤面:ぬっ!?おまっ…よく、そんなことが素面で言えるな!
銀時:あれ〜…銀八先生って意外とウブ?何も知らない若いコを自分好みに調教しちゃうイメージが
 あったんだけど…学校と家では関係が逆転しちゃう感じ?いまどきの若いコに振り回されてんの?
赤面:だから、そもそもそういう関係じゃないって何度も言ってんだろ!

銀時:じゃあ、どう処理してんの?普通に稼ぎはあるみたいだし、プロのお姉さんとか?
銀八:…行かねェよ。
銀時:なんで?好きな人がいるから?
赤面:………なんとなく。
銀時:土方くんと結ばれるまでは自己処理で我慢するんだ?偉いね〜。
赤面:何も言ってねーだろ!
銀時:はいはい…じゃあ、そんな偉い銀八先生に銀さんのゴッドハンドをプレゼント〜!
銀八:は?プレゼント?
銀時:遠慮しなくていいよ。同じ銀さんだから浮気じゃねェし、ツボは心得てるからね。
銀八2:ツボってなんだよ!…おい、なにすんだ!やめろ!
銀時:はい、一回暗転しま〜す!続きはこちら→


(10.10.08)