※WJ18号・第五百三十五訓を元にした話です。






本誌ネタに見せかけた感想

「待て、緊急事態発生だ」
「何だ?」
生きろ――新たに追加された局中法度を胸に走り出そうとした土方を銀時が呼び止めた。一刻を争うこの状況。敢えて止めさせたからには余程のことがあろうと緊張が走る。
「今週のジャンプ読んだか?」
「あ?」
だが次の台詞で土方は蟀谷にぴきりと青筋を浮かべさせた。
「この非常時にふざけんな!」
「ふざけてねーよ」
対する銀時の表情も真剣そのもの。何処からか週刊少年ジャンプ2015年18号を取り出した。
「まさか、最後の見開きが最終回っぽくて慌ててんじゃねぇだろうな」
確かにあの画面に「俺達の戦いはこれからだ」などと添えたら打ち切り最終回によくあるシーンとなろう。だが似ているだけで次もあることくらい、主人公なら分かっているのではないのか。
「違ぇよ。本編じゃなくてこっち!」
銀時は後ろの方のページを開いて見せた。それは、次号予告のページ。
土方は大きな溜息を吐く。
「お前、何年ジャンプに出てんだ?次回予告なんざ当てになんねぇよ」
「でもほらここ!今やってんの、さらば真選組篇って書いてある!」
「何ィ!?」
遂に銀時の思いが通じ、土方は食い入るように示された箇所に目を通した。
「どういうことだオイ!俺がやっと真選組になれたと思った途端!」
「俺が知るか!」
「そ、そうだ!次はきっと『帰ってきた真選組篇』になるんだ!」
「あー、それありそう。アニメも完結篇で完結しなかったしな」
二人のやりとりを他の者は皆、白けた様子で傍観している。この二人の関係も、こうして「幕間」になると近付いているのも、時にそれは少年誌でとても披露できない事態になるのも周知の事実。
そんな周囲の目をよそに、いつの間にか二人は仲良くジャンプを読み耽っている。
「えっ!殺せんせーって殺し屋だったの!?」
「そのくらい予想が付くじゃねーか。それより俺ァ燃堂の純粋さに心打たれたな」
「はいはい、どうせ銀さんは不純ですよー」
「そういう意味じゃねーよ……嫉妬か?」
「違いますぅ。つーか、ハクって可愛くね?定春もあれくらい小さきゃ連れてこられたのによー」
「合体してお前に犬耳が付くのか?猫耳の方が似合うだろうな」
「はいはい」
桃色の空気に包まれた二人には他者の視線もお構いなし。
「なあなあ、UBSどっちが勝つと思う?」
「ここらで一回、主人公が負けるんじゃねぇか?」
「甘ぇな。主人公はそう簡単に負けねぇよ。銀さんだってそうだろ?」
「いや、お前はそこそこ負けてるだろ」
「負けてねーよ。お前にだって勝ったし」
「それこそ勝ってねーよ。あれは剣が折れただけだ」
「剣が折れて戦闘不能になったんだから俺の勝ちだろ」
「お前は肩に一太刀食らったが俺は無傷だった。百歩譲って引き分けだな」
「斬ろうと思えばできたけど、可哀相だから刀を狙ったんだよ」
「刀を狙うので精一杯だったんだろ。もしくは手元が狂ったとか」
「狂わねーよ」
「いやいや、テメーがあん時から俺に惚れてたとしたら有り得る」
「ならあん時の土方くんは、俺のことほんの少しも好きじゃないから躊躇いなく斬ったんだな」
「そうは言ってねぇよ。イケダヤで会った時から気になってたぜ」
「どうだか」
バカップルには構うだけ無駄――長年の経験からツッコミを入れるのも面倒になった外野は彼らを放置して、銘々束の間の休息を取るのだった。

(15.04.02)


日頃から、誌面に写らないところで二人はいちゃついていると思っているわけですが、シリアスパートの時でもこんな風に
次号発売まではラブラブちゅっちゅしてるといいなという願望を込めて*^^*
ここまでお読み下さりありがとうございました。


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